日本自動車工業会は、2005年1月から硫黄分10ppm以下の超低硫黄軽油の全国供給を開始したことに伴ってディーゼル車ユーザーに対し、日常点検や定期点検の励行についてホームページ(http://www.jama.or.jp/user/s10ppm/index.html)に掲載した。
超低硫黄軽油は全てのディーゼル車での使用が可能だが、路線バスを中心に長期間使用しているディーゼル車で超低硫黄軽油を給油した場合、燃料噴射ポンプのゴム製シール材から燃料にじみが発生する可能性がある。
軽油中のアロマ成分は燃料噴射ポンプに使われているゴム製シール材を膨張させる性質があり、超低硫黄軽油では硫黄分低減に伴ってアロマ成分が低下する。
長期間使用しているディーゼル車では、シール材の熱劣化が進んでシール材が硬化している場合があり、アロマ成分が低下することによりシール性が低下することで、燃料にじみが発生する可能性がある。
2001年に東京都等で試験導入された低硫黄軽油(硫黄分50ppm以下)では、7−8年以上使用した一部の路線バスにのみ、燃料噴射ポンプから軽油のにじみが確認された。自工会ではホームページの内容を、バス事業者向けに特化した啓発ポスターを8000部作成し、バス事業者などに配布する。
軽油は引火性が低く単体で燃えることはないとしている。