さて、機能にひととおり慣れたら、実際にカーナビとして使ってみよう。川崎市の自宅近くからショッピングモール「ららぽーと横浜」までルートガイドをさせてみることにした。
検索窓から目的地を入力
「ららぽーと」で検索してみたが、モール内のグルメ情報や個々の店舗情報が多数検索されてしまった。施設名、スポット名としての「ららぽーと」を期待したので、条件を絞り込むことにする。
もちろん、最初の検索結果でも地図表示させれば同じ住所であるはずなので、敷地内の店舗であればどこを目的地に設定してもよいだろう。逆に広いショッピングモールなどでは、行き先の店舗が決まっていれば、むしろそこを目的地に設定したほうがよい。そうすれば、車を降りてから、徒歩モードで店舗までの案内に使えることもある(ただしGPSが受信できるようなショッピングモールの場合)。
なお、せっかくモール内の個別の店舗情報まで持っているなら、駐車場をどこに停めるのが最適かを案内してくれるとなおよいかもしれない。というのは、この「ららぽーと横浜」は立体駐車場が3か所あり、出入り口もそれぞれ違っている。敷地が広いので、慣れないと目的の店からいちばん遠い駐車場に車を停めてしまうことがあるからだ。
◆案内モードをワンボタンで切り替え可能
ルートガイドの性能だが、他社のサービスと比較して精度や案内方法に大きな違いはなく、音声ガイドと画面をみながら普通のカーナビとして問題なく使えた。他社のサービス同様、通常のカーナビと比較してしまうと、GPSの測位タイミングや再描画タイミングが長めなので、細かい路地での右左折の繰り返しやUターンなどには、若干の注意が必要だ。自車位置がすぐに反映されないこともある。曲がった直後は地図表示などそのつもりで見る必要がある。
NAVITIMEの案内ポイントの誘導表示は、画面下に進行方向を示す矢印と案内ポイントまでの残り距離数などが表示される。この表示がデフォルトだが、他にも案内ポイントごとの区間距離、交差点名、進行方向だけを大きく表示するモードもサポートされている(地図表示画面の状態で、本体カーソルキーの外にある左上のファンクションキーで「モード」が切り替わる)。このモードでは地図は表示されないが、もともと小さい携帯電話の画面では、詳細な地図表示よりこのようなガイドのほうが確実といえる。
他社サービスにも同様な案内を表示するものもあるが、地図表示と併用だったりする。そのため、地図も案内表示もサイズが中途半端になるが、NAVITIMEの表示モードは、思い切って地図表示をなくし、区間距離と進行方向と交差点名だけに絞っており、音声ガイドをうまく使えば、むしろ分かりやすい。
この案内表示は、ラリー競技を知っている人ならいわゆる「コマ図」によるルートマップといえばイメージしやすいだろう。ラリーのコマ図には、コマ図間の区間距離と案内ポイントの交差点形状、進行方向が記載され、ナビゲータは移動距離をみながら、その交差点の進行方向を指示し、ルートマップをたどっていくというものだ。
◆所要時間グラフ・マイカーマネージャーなど“使いこなす”楽しみも
NAVITIMEには、他にも多数の機能があるが、すべてを試して説明するにはとても誌面が足りない。最後に、NAVITIMEならではの機能について2つほど紹介しておこう。
ひとつは、「所要時間グラフ」だ。これは、出発前にドライブの計画を立てるときに便利な機能だが、出発地点と目的地を設定してルート検索をした状態で、指定した日付の出発時間別の所要時間を調べることができる。ルートを設定して、例えば午前8時にそこを出発するとおよそ何分くらいで到着できるかがグラフで表示される。そして、ウェブ上の電車の乗り換え案内のように、到着時刻指定で出発時間を割り出す検索モードもサポートしている。
「所要時間グラフ」を使えば、何時に出発するのが最短時間でそこに到着できるか、その到着時刻に着くためには何時に出発しなければならないかを調べることができる。試しに東京から名古屋の東山動物園までのルート検索と所要時間を調べてみた。朝の9:30に現地到着を目指すなら、夜中の3時に出発する必要があるとの予測だ。所要時間の予測については、ルート検索の距離と過去の渋滞統計データなどを利用している。
2つ目は、ドライブサポーター機能の中の「マイカーマネージャー」だ。レスポンス読者なら、「e燃費」といえばわかりやすいかもしれない。自分の車の車種や排気量、駆動方式、トランスミッション方式などを設定し、燃費情報やメンテナンス情報などを管理できるサービスだ。ドライブサポーターの機能には、先ほど紹介した渋滞情報や渋滞予測、ガソリンスタンド検索、料金比較、駐車場検索などのサービスもある。