小林可夢偉(ザウバー)が10月6日の予選後にグランドスタンド前にて行われたトークショーに登場した。
予選では4番手タイムだったが、ジェンソン・バトン(マクラーレン)のペナルティーによる降格で3番手からのスタートとなる小林。日本GPでの3番手スタートは佐藤琢磨の4番手を抜く日本人記録ともなったが、本人に緊張は見られず、司会のピエール北川氏とリラックスした雰囲気の中で以下の内容を語った。
金曜日のフリー走行時のマシン状況については、「走りだしが本当に悪かった。結構ヤバかったんですけど、今日になって突然コロっといい展開に流れて、何が起こったのかはわからないですけど、結果オーライにしといていいかなと」
「正直僕、Q3ギリギリ行けたらエエかなくらいに思ってたんで、金曜日は。それぐらい結構ピンチだったんですよ」
そんなチームの仕事ぶりについては「ビックリしました。こんな力持ってたんや、このチームって思うくらい」とユーモアを交えてコメント。
3番グリッドと表彰台を狙える位置を獲得した小林可夢偉。まず重要となるスタートについては「今年、いいスタートポジションからスタートすると、必ずスタート駄目なんで。本当に」と語った。
「たぶんリアクションは誰よりも速いんですよ。そこは速いんですけど…えーと、クラッチという方がなかなか情緒不安定で、性格が。その人だけコントロールできれば問題ないかなと」
「だいたいプラクティス終わったらスタート(練習)するじゃないですか。今回そのスタート抜群やってんですよ」
「実を言うと、スパのときも、上海のときも、フォーメーションに行くとき必ずいいんですよ。レーススタートになったら突然情緒不安定だから悪くなるんですよ。すごい難しいみたいです。本当に。だから、あんまりあのスタートがいいからって調子乗るとろくなことないんで、念押ししておきました」
今回、小林可夢偉の隣の4番グリッドにはロマン・グロージャン(ロータス)が並ぶ。グロージャンと言えば、小林可夢偉がフロントローからスタートとなったF1ベルギーGPで多重クラッシュを引き起こしたドライバーだ。
「今回ね、隣にミサイルっぽいのがいるじゃないですか。(全国放送だが)自分もわかっていると思うんで」と小林可夢偉はロマン・グロージャンについて言及。
「今回、ミサイルと交友関係を結んで、ずっとインタビューで『いいよ、いい友達なんだから』と言っておきました。みんな笑いながら『そういう意味ですか?』って言われたけど『いや、いい友達なんだよ』と、とりあえずひたすらそう言い続けてたんで大丈夫です。たぶん、まぁ何を言ったところで僕のこと気に入ってくることはない相手だと思うんで、あの人は」
今年の鈴鹿は雨もなく暖かい週末となっている。
「たぶん明日もうちょっと暖かくなると思うんですよ、今日より。だから、レース向けてはタイヤはみんな厳しくなるんで、面白いレース展開になるとは思ってます」
最後に小林可夢偉は、決勝にむけての意気込みを以下のように語った。
「明日たぶんレッドブルが思いっ切り速いと思うんで、できるだけそこについていって、あとは抜かされない展開しかないかなと。あれにまともに戦えと言ったって、たぶんかなり速いと思うんで、あのペースは。だから、それは正直あんまり夢を見ずに、とりあえず現実的にはやっぱりしっかりできるだけついていって、まず確実に自分の今のポジションをキープできるようにしたいなと思います」