トヨタ自動車の米国主力ミドルセダンの新型『カムリ』と、ハイブリッドワゴンの『プリウスv』(日本名:『プリウスα』)。両車が米国の公的衝突テストにおいて、厳しい評価を下されたことが分かった。
これは12月20日、米国IIHS(道路安全保険協会)が明らかにしたもの。IIHSが新たに導入した前面オフセット衝突テスト、「新スモール・オフセット」において、カムリとプリウスαが4段階評価で最低のPOOR(不可)評価を受けたのだ。
IIHSの新スモール・オフセットテストは、フロント部分の運転席側1/4が当たるようにオフセットさせて固定バリアにぶつけるもの。実際の衝突事故に、より近づけるために新たに導入された追加テストだ。IIHSによると、前席の乗員が死亡や重傷となった前面衝突事故の約4分の1が、このケースに該当するという。
この新スモール・オフセットテストにおいて、トヨタカムリとプリウスαは、4段階評価で最低のPOOR(不可)。両車ともに、ドライバーの生存空間の少なさをIIHSは指摘した。IIHSのエイドリアン・ランド代表は、「トヨタのエンジニアは、競合車の安全性能に追いつくために、するべきことが多くある」とコメント。
その一方、IIHSの従来方式の前面オフセット64km/hテストをはじめ、50km/hの側面衝突テスト、32km/hの追突想定テストにおいて、カムリとプリウスαは最高評価のGOOD(優)を獲得している。
IIHSの新オフセット衝突テストでは、カムリと競合する新型ホンダ『アコード』が最高評価のGOOD(優)、日産『アルティマ』が4段階評価で上から2番目のACCEPTABLE(良)。今回のIIHSのテスト結果を受けて、米国トヨタ販売は、「IIHSの新しい衝突テストは、安全性の基準を引き上げた。我々はこの基準に対応していく」と説明している。