鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)と相模鉄道(相鉄)は4月23日、相鉄・JR直通線の開業時期の見通しを2018年度内に変更すると発表した。2015年春の開業を目指していた従来の計画より3年程度の遅れとなる。
相鉄・JR直通線は、相鉄本線の西谷駅から東海道本線貨物支線(羽沢貨物線)の横浜羽沢貨物駅付近までを結ぶ2.7kmの路線。羽沢貨物線への合流部手前に羽沢駅(仮称)が設けられる。上下分離方式により鉄道・運輸機構が整備し、開業後は相鉄の路線として運営される。
2006年、都市鉄道等利便増進法に基づく速達性向上計画の鉄道路線に認定され、2009年の工事施行認可を経て2010年に着工した。同線と羽沢貨物線を介して相鉄線とJR湘南新宿ラインの直通運転を行うことが想定されており、朝ラッシュ時は二俣川~新宿間を現在より約15分短い44分で結ぶ。
このほか、羽沢駅から新横浜駅を経て東京急行電鉄(東急)東横線の日吉駅を結ぶ相鉄・東急直通線10.0kmが2019年春の開業を目指して計画されており、最終的には相鉄・JR直通線と相鉄・東急直通線を介した東急線と相鉄線の直通運転も行われる。
鉄道・運輸機構と相鉄によると、相鉄・JR直通線と既設線との接続部の工事が遅れている。横浜羽沢駅構内の配線切り替えなど、列車が運行されていない短い作業時間帯で工事を実施せざるを得ないため、工期短縮の工夫を最大限行ったとしても開業時期が2018年度内になるという。
建設費も当初の計画より約100億円多い約782億円に増える見通し。関係者との協議による計画の変更や、地質調査などの結果を踏まえた工事方法の変更などの影響によるもので、鉄道・運輸機構は今後、事業再評価など必要な手続きを進めるとしている。