女性に接近する目的で、女性が運転するクルマのタイヤを常習的にパンクさせていたとして、暴力行為等処罰法違反罪に問われた25歳の男に対する判決公判が4月30日、名古屋地裁岡崎支部で開かれた。裁判所は被告に対し、執行猶予付きの有罪を命じている。
暴力行為等処罰法違反罪に問われたみよし市内に在住する25歳の男は、2011年4月から2012年12月までの間、同市内や豊田市内、日進市内などの駐車場で女性が運転するクルマをターゲットに、判明しているだけで5回に渡ってタイヤをパンクさせたとして起訴された。
男はタイヤを女性が乗るクルマのタイヤをパンクさせた後、女性に「タイヤがパンクしていますね。自分が交換しますよ」などと声を掛け、その際に連絡先などを交換していたが、別の場所で被害に遭った女性同士が知人だったことから犯行が発覚していた。
これまでの公判で被告側は「被告は女性と知り合うきっかけが欲しかっただけであり、つきまとい行為など悪質なことはしていない」と主張してきたが、4月30日に開かれた判決公判で、名古屋地裁岡崎支部の国井恒志裁判官は「被告は親切な人を装い、女性を狙っていた」、「女性と友達になりたいという犯行の動機は身勝手で巧妙である」と指摘した。
その上で裁判官は「連絡先を交換するなどの行為は悪質だが、被害弁済をしており、反省の情も認められる」として、被告に対して懲役1年6か月(執行猶予3年)の有罪判決を言い渡している。