NASAは12月11日早朝(日本では12日午前)、国際宇宙ステーション(ISS)の冷却系統の一部が、設定された限界温度に達したため、自動的に機能を停止したことを公表した。
不具合が起きた冷却系統は、ISSの機器で発生した熱を放熱するためのもので、アンモニアが循環している。ポンプモジュール内のバルブに問題があると考えられ、現在ISSのフライトコントロールでは、バックアップ機器に切り替える運用を行っている。
この不具合により、現在のISSコマンダー、オレグ・コトフ宇宙飛行士や今年11月から長期滞在中の若田光一宇宙飛行士らクルー6人に直ちに危険がおよぶものではなく、普段通りの休息シフトで生活している。しかしバックアップのシステムでは、ISSの機器をすべて使用することはできないため、結合モジュールのハーモニー ノード、日本実験棟「きぼう」、ヨーロッパ実験棟「コロンバス」で重要ではない機器の電源を落としているという。
不具合が起きた冷却系統「ループA」は以前にも同様の故障を起こしている。2013年8月には、宇宙飛行士が船外活動を行って部品を交換、修理している。