三重県四日市市を走る近畿日本鉄道(近鉄)の内部・八王子線が4月1日、同社と四日市市によって設立された鉄道会社「四日市あすなろう鉄道」に引き継がれ、新たなスタートを切った。
内部・八王子線は、近鉄四日市~日永~内部間5.7kmを結ぶ内部線と、日永~西日野間1.3kmを結ぶ八王子線からなり、線路の幅が762mmと狭い「ナローゲージ」の鉄道として知られる。
これまで近鉄が運営してきたが、経営の悪化により存続問題が浮上。四日市市が施設や車両を保有し、近鉄が75%、四日市市が25%を出資して設立した新会社「四日市あすなろう鉄道」が無償で借り受けて列車を運行する公有民営方式に移行することになった。
社名の「あすなろう」には「未来への希望(明日にむかって)や、内部・八王子線の特徴であるナローゲージ、将来にわたり市民の皆様とともに育てていく鉄道」という思いを込めているという。
あすなろう鉄道としての運行開始にあたり、各駅の駅名標は新社名入りに一新。近鉄四日市駅は内部・八王子線の部分のみ駅名も変更され、「あすなろう四日市駅」となった。運行開始初日の朝はあいにくの雨模様だったが、駅名標をカメラやスマートフォンで撮影する人や、記念入場券のセットなどを買い求める人の姿も見られた。