【ホンダ グレイス 試乗】ソツなくこなすけど器用貧乏…岩貞るみこ

試乗記 国産車
ホンダ グレイス HYBRID EX
ホンダ グレイス HYBRID EX 全 15 枚 拡大写真

『グレイス』は、いろんな音がする。ハイブリッド車はモーター音がして当たり前なのだが、ダントツで車内にさまざまな高音が鳴り響くのだ。

そのひとつは、白バイが獲物を追いかけるときのサイレンに酷似していて、悪いことしていないのにドキドキしながら白いヘルメットにブルーの制服姿を探してしまう。

グレイスは、カクカクする。ミッションがDCTゆえの、揺れである。

グレイスより上のクラスはともあれ、グレイスの価格帯になると、こんなものかと寛容な気分で受け入れられる。ただ、減速していってかなり低速になったときのかくかく加減は受け入れ難い。それなりの速度で走行中、赤信号にあわせてブレーキを踏み、最後はそうっと停止したいのに、最後の最後で前後にカクカクする。

一瞬、加速したような錯覚すらする。カクカクするなら毎回すればいいのだが、そのときの速度や減速ぶりによってなったりならなかったりするのでタチが悪い。

DCTは燃費を向上させるための技術と知りつつ、またCVTはもう古いという機運があるのは知りつつも、CVTのなめらかさが恋しいのは私だけではないだろう。

後部座席にはきちんと座れ、トランクもしっかり広い。燃費も、街なかの渋滞にはまりながらも20km/リットルは軽く超えていく。ソツなくなんでもこなすマルチな才能なのだが、どこか器用貧乏さを感じてしまう。

あと、何か心にぐっと響く華やかさがあれば、この地味なカテゴリーでもインパクトが出てくるんだけど。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「ハチ公物語」「しっぽをなくしたイルカ」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。最新刊は「法律がわかる!桃太郎こども裁判」(すべて講談社)。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 「ホンモノのGT」が日常を小冒険に変える…マセラティの新型『グラントゥーリズモ』が誘う世界とはPR
  2. 『N-BOXカスタム』用パーツが一挙発売、ブリッツからエアクリーナーシリーズ4種類・5製品が発売
  3. 【トヨタ GRカローラ 新型試乗】「GRヤリス」とはスタンスが明確に違う理由…河村康彦
  4. ランボルギーニ、新型車を間もなく発表へ…電動『ウルス』の可能性も
  5. SHOEIが新型フルフェイスヘルメット『GT-エアーIII』にグラフィックモデル「DISCIPLINE」を設定
  6. アルピナ『B3』が2度目のフェイスリフトへ! リムジン&ツーリングをWスクープ
  7. [音響機材・チョイスの勘どころ]サブウーファー「小型・薄型モデル」の選択のキモは、“サイズ”と“音”と“価格”!
  8. ホンダの新型SUV『WR-V』、発売1か月で1万3000台を受注…月販計画の4倍超
  9. テスラ モデル 3、新グレード「パフォーマンス」を追加…最高速度262km/h
  10. レンジローバー最初のEV、プロトタイプの写真を公開
ランキングをもっと見る