【e燃費 500kmチャレンジ 前編】最新エコオイルは燃費向上にどれだけ寄与するか

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【e燃費 500kmチャレンジ 前編】最新エコオイルは燃費向上にどれだけ寄与するか
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昨今ハイブリッド車を初めとする低燃費車両が国内の乗用車市場の販売シェアの多くを占めているが、その低燃費化に一役買っているのが低粘度オイルの存在だ。

◆低燃費化に一役買っているオイルの存在

シリンダーとピストンとの間で潤滑する際に、オイルによる抵抗を減らすため、低温・高温双方の条件下でも粘度の低いオイルが昨今のトレンド。SAE(Society of Automotive Engineers:米国自動車技術者協会)が定めたオイルの分類で見ると、現在販売されている乗用車の多くは、0W-20という非常に粘度の低い、つまり“サラサラな”オイルが推奨されている(SAEの粘度分類については別記事での解説に詳しい)。

燃費性能に優れた低粘度オイルの採用を可能にしたのは、ピストンやシリンダー、コンロッドなどの材質や形状改良により、エンジン内部部品の摩擦低減とともに低粘度オイルを使用した状態での耐久性向上(いわゆる「オイル上がり」の抑制)が図られたことが大きい。

◆0W-16オイル指定のモデルも続々登場

さてここ最近、この0W-20よりさらに粘度の低い0W-16というオイルが推奨指定となる車両が増えてきた。具体的には、マイナーチェンジ後のトヨタ『カローラ』や『アクア』などで、この0W-16オイル推奨車両は今後も増えていくと見込まれている。

BPカストロールはこのトレンドを受けて、ディーラー向けオイルの新製品「マグナテック プロフェッショナル0W-16 20L」をこの4月にいち早く市場投入。マグナテック プロフェッショナルは、製造工程に導入した濾過工程「マイクロフィルター技術」を採用し、よりクリーンな性能を目指したハイグレードオイルだ。

また「マグナテック」の名称の由来ともなっているのが、オイルが磁石のようにエンジンに吸着し保護層を形成するインテリジェント分子の存在。この保護層の働きにより、始動時から優れたエンジン保護性能を発揮し、0W-16オイルの使用が推奨されているハイブリッド車などに最適なオイルとなっている。

◆燃費管理アプリ「e燃費」でオイルの省燃費効果を検証

前置きが長くなってしまったが、今回はこの低粘度オイルが燃費向上にどれだけの効果があるかを調べるために、可能な限り条件を同じとした同一車両2台に粘度の異なるオイルを入れて、500kmのロングドライブによる燃費比較をおこなった。

使用したオイルは、マグナテック プロフェッショナル 0W-16と、同じくマグナテック プロフェッショナルの 5W-30。アクアの取扱説明書には、0W-16から10W-30までのオイル粘度に対応する記載があるため、テストに使うもう一方のオイルは5W-30とした。今回テストしたマグナテック プロフェッショナルはトヨタ系各ディーラーでも取り扱っているものだ。

テスト車両はトヨタ『アクア』のマイナーチェンジ後のモデルで、0W-16オイルが推奨指定されており、JC08モード燃費は37km/リットル。走行距離は約6900kmと約8500kmで、前車に5W-30を、後車に0W-16を入れた。いずれもオイルフィルターを同時交換し、指定油量の3.7リットルとしている。オイル以外の条件を可能な限り揃えるために空気圧は指定の230kPaで統一し、運転手は約100-120kmおきに交代した。両車のタイヤは8部山と新品に近い状態だったが、銘柄が異なっていた(ブリヂストン『エコピア』とダンロップ『エナセーブ』)ことをお断りしておく。エアコンの設定温度は25度のオート、エコモードはOFFとしている。

走行ルートは、神奈川県・藤沢市から愛知県・蒲郡市のラグーナ蒲郡を往復する約520kmのルート。道のりとしては、東名厚木インターから御殿場ジャンクションで新東名に入り、三ヶ日ジャンクジョンで再び東名に合流後、豊川インターで降りて国道151号から23号を経由してラグーナ蒲郡を目指す。復路は同じ道を引き返すこととした。

燃費は燃費管理アプリ「e燃費」を利用して、満タン法で計測。出発前に満タン給油し、走行後再び満タン給油して走行距離を燃料消費量で割りリッターあたりの走行距離を計測した。なおe燃費はオドメーター画像とレシート画像による画像投稿機能を持つので、面倒な数値入力なしでマイカーの燃費管理が可能だ。

◆見るからにサラサラ、低粘度を実感する0W-16

出発前のオイル交換は東名厚木インターにほど近い藤沢市北部の整備工場で作業をおこなった。交換してみると、淡いグリーンの色は0W-16・5W-30どちらもおなじだが、“サラサラ感”が明らかに異なる。5W-30はトロリとした感触でオイルタンクへ徐々に流れ込むが、0W-16のほうは水とまでは行かないにせよ、オイルの注入容器をわずかに傾けただけでもかなり勢いよく注がれていく。色味は0W-16のほうが若干淡い。

両車ともに新品オイルに交換後、近隣のガソリンスタンドで満タン給油を実施。トリップメーターを0に戻して、駆動用バッテリーも同じメモリにまで揃え、いざ目的地へと出発。オイルの違いによるドライバビリティの変化、実際の燃費に差は出るのだろうか? 後編ではその結果をレポートしたい。

《レスポンス編集部》

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