一部ディーゼル車に、排ガス試験を不正にクリアする違法なソフトウェアを搭載していたフォルクスワーゲングループ。同社を米国政府が提訴したことが分かった。
これは1月4日、米国ミシガン州デトロイトの連邦地方裁判所が公開した訴状の中で明らかになったもの。米国環境保護局(EPA)の代理として、米国司法省がフォルクスワーゲングループを相手取り、民事訴訟を起こしたことが公表されている。
訴状の内容は、フォルクスワーゲングループが排ガス規制を不正に逃れる目的で、およそ60万台の車両に違法なソフトウェアを搭載し、米国の大気浄化法(CAA)に違反したというもの。米国司法省はフォルクスワーゲングループに対して、制裁金の支払いなどを求めている。
今回の問題では、フォルクスワーゲングループの一部ディーゼル車に、違法なソフトウェア、「ディフィートデバイス(無効化機能)」を装着。このソフトウェアは、車両がダイナモ上で排出ガス検査を受けていることを、ステアリングホイールや車輪の状態などから察知。排出ガス検査の時だけ、排出ガス浄化機能をフル稼働させて、検査をクリアしていた。
一方、通常の走行状態では、顧客が望む燃費や動力性能を実現するために、ソフトウェアの無効化機能が作動。排出ガス浄化機能が無効化されるために、排出ガス基準を大きく上回る有害物質を放出していた。