アウトランダーPHEV で行く、充電スポット有効活用の400km…八ヶ岳ペット旅

試乗記 国産車
三菱 アウトランダーPHEVと自称自動車評論家犬のマリア
三菱 アウトランダーPHEVと自称自動車評論家犬のマリア 全 60 枚 拡大写真

三菱『アウトランダーPHEV』で白銀の八ヶ岳を訪れた。2015年6月に行われたビッグチェンジと呼べる同車の改良の跡は、走れば誰もが納得できるだろう。

ドアをズシッと閉めた瞬間から得られる車内の外界から遮断されたかのような密閉感、徹底的な遮音、吸音対策による全域の静かさ、出足からのEV走行のスムーズさは圧巻で、乗り心地もまた一段と洗練され、上質でマイルドになっている。

◆犬にも嬉しい静粛性、家電も使用可能なコンセント装備

自称自動車評論犬のマリアによれば、(犬しか知り得ない)ラゲッジに乗った犬の快適感も格段に高まったという。その理由はダイナミックダンパーの採用に始まり、樹脂フォーム材をリヤホイールハウス内に、吸音スポンジをテールゲートトリム内に封入した入念な対策も大きいはずだ。

車体側の静粛性向上は、実はハイブリッド走行性能にも効果がある。アウトランダーPHEVの2リットルエンジンは2000回転あたりから効率がよくなるのだが、改良前のモデルはそこからエンジンのノイズが高まりがちだった。しかし改良後のモデルはエンジンノイズを車体側で見事に遮断してくれるため、エンジン効率のいい領域を使いやすく(ノイズが気にならない)、結果的にハイブリッド走行燃費性能が向上したのである。

そうそう、アウトランダーPHEVには100V/1500Wコンセントが後席、ラゲッジ部分に用意され、車内外でコーヒーメーカーや低電力の電子レンジなどを使うことができるから超便利。災害時には発電&給電機能が強い味方になる頼もしさにも注目である。

◆一軒家気分のコテージに滞在、ドックランも広々

さて、愛犬と過ごすリゾートコテージ「八ヶ岳わんわんパラダイス」にチェックインし、プレミアムコテージ専用パーキングスペースにアウトランダーPHEVを停めると、コテージのグレードに驚かされる。

何しろロフト付き2階建ての建物の回りがすべてプライベートドッグラン。コテージに入るとそこは暖炉のあるリビング(ソファ、液晶TV、DVDプレイヤー、マッサージ機、ガスヒーター2台、エアコン完備)、小上がりの団欒スペース、食器類や電子レンジなども完備したキッチン、トイレがある吹き抜けの空間で、広々としたテラスからはプライベートドッグランに直接出ることも可能なのだ。

2階に上がればベッドルーム、8畳の和室(就寝可能)、バスルーム、洗面スペース、1人用サウナ、トイレ、ロフトスペースがある。もう、立派な一軒家で暮らす感覚で滞在できるのだ。ドッグアメニティも充実し、大型犬も入れるケージも用意されていた。

まずは犬たちを連れ、広大なドッグラン「森のドッグガーデンへ」。敷地内は絶好のお散歩コースでもあり、遠くに南アルプス、甲斐駒ヶ岳連峰を望みながら森林浴気分でお散歩できるのだから最高である。

◆ペット旅にも充電スポットにも最適な八ヶ岳

八ヶ岳はペットフレンドリーなリゾートであり、周辺には犬と入れるスポット、カフェ&レストランが点在。この季節でもアウトランダーPHEVがあれば雪道に不安なく足を伸ばせ、時間を持て余すことはない(ワンワンパラダイスのフロントに置いてある八ヶ岳ペットネットのエリアガイドが役立つ)。さっそくアウトランダーPHEVでプチドライブに出かけることにした。

しかも八ヶ岳はアウトランダーを始めとするPHEV、EVにとって最高に恵まれたリゾート地でもある。そう、アウトランダーPHEVのナビで検索できる充電スポットはもちろん、登録されていないホテルなどの無料充電スポットが充実している。

例えば八ヶ岳わんわんパラダイスの敷地内で検索すれば、数カ所の充電スポットがリストアップされ、もっとも近いところは「道の駅こぶちさわ」(9:00~17:00)で、わずか3.6kmの距離。観光案内所に利用したい旨を伝え、職員による開錠後、当面、無料で利用可能だ。

さらに八ヶ岳わんわんパラダイス系列の「セラヴィリゾート泉郷 ネオオリエンタルリゾート八ヶ岳高原」のフロント前駐車場にも無料の充電設備が(フロント営業時間内)あり、このあたりで充電スポットに困ることはない。

◆夕食はフレンチのフルコース、ワンちゃんメニューもあり

アウトランダーPHEVで白銀に染まった八ヶ岳周辺をドライブし、わんわんパラダイスに戻ってくると、いよいよ人と犬にとって最大の楽しみとなるディナーの時間である。マリアとララはすでにランチで味をしめているので、レストランへぐいぐい誘導。その記憶力、食べ物への執着はさすがである。

ディナーはコテージでいただけるケータリングサービスもあるが、今回はシェフのいるレストラン「ラ・テラス」でのフルコースを選択。アミューズに始まり、前菜、スープ、魚料理、肉料理、デザート、飲み物と続く、本格的なメニューである。甲州ワインなど、アルコールも充実しているのが嬉しい。すべてのプレートの味、盛りつけともに大満足。静かでゆったりとしたディナータイムを堪能することができた。

もちろん、ランチに引き続き、犬たちもディナーを注文。今日は食べ過ぎ…のマリアとララだが、コテージに戻れば敷地内がプライベートドッグラン。日没後、腹ごなしの運動を犬たちだけでさせるにもまったく困らないのだから快適・便利だ。

翌朝は南アルプスを一望できる「ラ・テラス」で洋朝食。チェックアウトは11時だから、その後も森のドッグガーデンで犬と遊んだり、2階の眺めのいいバスルームで朝風呂に浸かったりと、ゆったりできるのだ。

◆トータル約400km走行でのガソリン使用量は…?

チェックアウトを済ませたあとは、中央フリーウェイ小淵沢ICに向かう途中にある道の駅「こぶちさわ」で無料充電。そしてアウトランダーPHEVの素晴らしく静かで滑らかなクルーズで人も犬も疲れ知らずで東京に到着することができた。走行距離は八ヶ岳往復+都内使用で約400km。エアコン25度オート、撮影のため八ヶ岳周辺で一部山道区間を走行したPHEVにとって有利とはいえない極寒のドライブで、帰路は八ヶ岳PAと談合坂SAの2か所で充電。最終的に入ったレギュラーガソリンは16.96リットル、1713円(給油日の1リットル101円で計算)だった。

アウトランダーならではのオールロードの安心感、頼もしさ、PHEVならではの極上の快適性、経済性に改めて唸らされた1泊2日、白銀の八ヶ岳ドライブ旅行。気温が安定し、エアコンを使わずに済むこれからの季節なら、PHEVのEV走行距離、経済性はさらに伸び、高まるに違いない。

加えて、日常域でもフロント60kW、リヤ60kWの出力を持つ前後のモーターがもたらす強力なトルク特性によるスムーズで軽快な走行性能、ミッドサイズSUVらしからぬキビキビした走りやすさに満足できた事実も報告しておきたい。

《取材協力》
三菱自動車

八ヶ岳わんわんパラダイス
山梨県北杜市長坂町小荒間1791
0551-32-1155

《青山尚暉》

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