フォルクスワーゲン(VW)グループジャパンが主催する「フォルクスワーゲン オールイン・セーフティ体験会」が、栃木県内のテストコースで開催された。現在のVWの安全へ向けた最新技術を体験できる場として用意された場だ。
体験会には、メディア関係者の他、ネット上で応募した170名から選ばれた一般ユーザー8組12名も参加した。同社はこれまで営業マンや関係者向けにこのようなイベントを行ってきたが、一般ユーザーを対象にしたのは初めてのことだという。当日は春らしい暖かさの中、絶好のコンディションの中で行われた。
体験会に先立ち、VWの安全に対する考え方のプレゼンテーションが行われた。まず『ゴルフ』を例に、安全技術の採用時期を年表にして紹介。たとえば1998年より導入を進めてきたESCを2003年にはゴルフ5へESCを初めて標準装備したことが挙げられる。2004年の同社調査として、横滑り事故の80%がESCにより防止できたとの結果がある。
これを受けて欧米各国ではESCの標準化へ向けた動きが活発化し、日本でも2011年10月1日以降、新型生産車両に対して装備を義務化。継続生産車についてもその2年後までに装着することを義務化した。また、軽自動車に対しても2018年2月24日以降に製作された車両から適用が始まることになっている。つまり、VWはこれにずっと以前より装備することで安全性を高めてきたことになる。
VWにとって安全に対するパッケージ化を進めたのが現行ゴルフで最初に採用された「MQB」と呼ばれるプラットフォームだ。これはVWグループが、ブランドを超えて採用する、自動車のモジュール化のこと。VWでは『ポロ』クラスから『パサート』クラスまでが含まれる。つまり、従来は上級車にしか搭載されなかった安全装備が、モジュール化によってクラスを超えて装備されるようになったわけだ。
VWの安全に対する考え方は、自車や運転者、それを取り巻く歩行者や周囲のクルマを対象としたすべての環境において、「安全」であることを目指す“全方位型”安全思想にある。これをわかりやすく表現したのがVWの新安全コンセプト「フォルクスワーゲン オールイン・セーフティ」というわけだ。
この説明を終了後、VWアカデミーの講師からのプログラム説明に入る。プログラムは大きく4つのカテゴリーに分けられ、その詳細画解説された。各プログラムは、(1)低μスキッドパッドにおいて「アクティブセーフティ/ハンドリング」(2)外周オーバル路を使った「レーンサポート/クルーズコントロール」(3)ハンドリング路で「基本性能/シャシー・サスペンション」(4)ブレーキエリアで「アクティブセーフティ/ブレーキ」。参会者が自らハンドルを握り、体験会は進められた。
VWジャパンでは今回の体験会をテストケースとして捉えており、結果を踏まえて今後の展開を決めていく予定だ。
《取材協力》
フォルクスワーゲン グループ ジャパン