ショーワがついにバイク用高性能リプレイスサスペンションを発売する。『BFF』(バランスフリー・フロント・フォーク)と『BFRC-lite』(バランスフリー・リアクッション・ライト)だ。
5月25日から27日、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)で開催した「人とくるまのテクノロジー展2016」にて国内初展示。開発を担当した株式会社ショーワ開発本部二輪サス開発部の淡佐重紀氏は、「高性能でありながら他にない耐久性を兼ね備えた一般公道用オリジナルサスペンションを開発しました」と、自信を見せる。
まず、順を追って説明しよう。市販車ベースのレーシングマシンで競われるスーパーバイク世界選手権(WSBK)で、2013年、2015年にシリーズチャンピオンに輝いたカワサキ・レーシングチームの足もとを支えたのが、ショーワのサスペンション技術「バランスフリー・テクノロジー」だ。
世界で初となる直列ピストンユニットを用いたバランスフリー構造をシリンダー外側に配置し、一ヶ所に集約させた減衰力発生バルブ構造により応答性を向上。サブタンクでの加圧によりキャビテーション(オイルの泡立ち)を防止し、素早い減衰力の立ち上がりを実現している。
淡佐氏いわく、「純正採用されているカワサキ Ninja ZX-10R向けにはじまり、ハイエンド向け商品として複数車種への展開を計画しています」とのことで、スズキGSX-R1000やホンダCBR1000RR用などが発売される見込み。
注目はフロントフォークのスライドパイプやリアクッションのロッド表面に施された世界初となる薄膜成形技術によるチタンコーティングで、エメラルドカラーの表面処理により高い質感が表現されている。
「ショーワの高性能サスペンションだと、ひとめでわかるように、今後の製品でもエメラルドカラーが使われていくと思います」(淡佐氏)
さらにフロントフォークのアクスルホルダーを総削り出しにし、チタンボルトを採用するなど、剛性や軽量化といった機能面はもちろん、外観からもユーザー満足度を高めるものとした。
また、サブタンク表面色をグレーメタリックとすることでOEM製品と差別化しているほか、スプリング交換の容易性、オーバーホール性にも考慮した設計となっている。