誰でも一度は乗るであろう霊柩車。光岡自動車はその霊柩車を3台、東京ビッグサイトで開催された「エンディング産業展2016」に出展した。いずれも市販車種を改造したものだが、国内10番目の自動車メーカーとしての技術が詰まっているそうだ。
その3台とは、トヨタ自動車『ヴェルファイア』(価格950万円から)、『カローラフィールダー』(528万円から)、日産自動車『ティアナ』(695万円から)を霊柩車にするために一から設計・開発し、それぞれ中央、後部を切り離してリムジンをつくる要領で付け足したもの。
いずれもベース車両がわからないほどのきれいな出来映えで、特に白のカローラフィールダーなどはとてもベース車両がフィールダーとは誰も思えないほど。「自分が送ってもらいたいと思う車を常に意識してつくっています。ヴェルファイアについては、新幹線のグランクラスをイメージしてつくりました」と同社関係者は話す。
同社は20年以上前に輸入霊柩車の販売を開始し、2003年から少量生産の開発・技術を活かしたオリジナル冠婚葬祭用リムジン車を手がけてきた。その自慢は自動車メーカーならではの安心のアフターフォローだという。車の使用状況に合わせて長く部品の供給・修理対応が可能で、全国3カ所の営業所と12カ所の直営店で修理が行えるそうだ。
その結果、販売台数も徐々に伸ばし、今では年間100~150台を販売している。「うちはこの業界では初めて霊柩車の定価販売を実施した会社なんです。それまでは言い値で価格がない状態だったんです」と同社関係者。
光岡自動車は自動車メーカーならではの強みを生かし、今後もこの業界で新しい試みをして行く方針だ。