日野自動車の市橋保彦社長は10月27日の決算発表会見で、国内の新たな主力生産拠点となる古河工場(茨城県古河市)について、コスト削減効果を「年60億円から70億円見込んでいる」と明らかにした。
古河工場は本社のある日野工場(東京都日野市)からの移転を進めているもので、大型や中型トラックなどを手掛ける中核工場になる。2012年から海外向けKD部品の梱包工場から立ち上げ、今年からは車両組み立ても始めた。
市橋社長によると「17年初めには本格稼働となる」計画であり、投資や償却面では「移転のピークとなる17年度までは負担が増えるが、徐々に効果が出ていく」と語った。数年内に60億円以上の効果を引き出していく。
日野は古河工場の本格稼働に合わせ、17年から普通トラックの新製品シリーズを順次投入する計画。市橋社長は「お客様のビジネスを支える商品を送り出していく。古河工場で、商用車の特徴である多品種少量のものづくりを極めていきたい」と、強調した。