ホンダの米国の四輪車主力拠点であるメアリズビル工場(オハイオ州)のロブ・メイ工場長は11月10日、セダン系を生産する同工場の稼働計画について「現時点で減産や稼働率調整をすることはない」と述べた。
同日、工場内で日本人記者団の取材に応じて語った。同工場は年産能力が44万台。メキシコを含むホンダの北米の生産能力の4分の1近くを占める同地域最大の工場だ。『アコード』シリーズとアキュラブランドの『ILX』および『TLX』のセダン系モデルを集中生産している。
現在の稼働率は97~98%としており、フル生産の状況にある。ただ、米新車市場では、ガソリン安を背景にピックアップトラックやSUVといったライトトラックの人気が高く、足元では総需要の6割を超えている。
ホンダの米国販売は、セダンなど乗用車系とライトトラック系の比率がほぼ半分ずつとなっている。このため、同社は2017年春までに北米の工場間で生産モデルの再編を行い、ライトトラックの供給力を高める方針としている。メアリズビル工場はこの再編の対象ではなく、現行モデルの生産を続ける。
メイ工場長は「ここ2、3年でセダンの販売が減少しているのは残念であり、今後の販売実績を見ていきたい」と述べたものの、アコードが堅調な売れ行きとなっていることからも、減産等の計画はないとした。ホンダのメアリズビル工場は、日本メーカー初の自動車工場として1982年にアコードの生産を始めた。2014年3月には、生産累計が2000万台に達している。