産業機械分野のエンジニアは、待遇・規模よりも「やりたい仕事」

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かわさきロボット競技大会
かわさきロボット競技大会 全 6 枚 拡大写真

日本アルテックは、「かわさきロボット競技大会」参加学生ら向け産業機械分野への就職支援を実施するのにあわせ、機械設計・基板設計を専門とする技術者たちの転職動向・トレンドを伝えるメディア説明会を、11月21日に実施した。

かわさきロボット競技大会は、高校生以上が参加するバトルロボット競技、川崎市内の小中学生が参加するJr.ロボット部門などで構成される“ロボット界の格闘技”。11月から2017年3月にかけては、「工場内の安全管理用途」をイメージし、残置物、発火物の確認をミッションとする「技術賞」のレースが開催中。主催は川崎市産業振興財団で、「産業構造の変化や熟練技能者の高齢化、また若年者のものづくり離れがすすむなか、若者のものづくりに対する関心と理解を深め、これを支える創造性に富んだ人材の育成を図るために開催している」という。

また日本アルテックは、機械設計や基板設計の技術者に特化したキャリアコンサルティング会社。同社はかわさきロボット競技大会に参加する若きエンジニアたちと、産業機械分野・自動車機械分野などの就職先へのマッチングを行っている。「僕自身、アルプス技研に5年以上勤めて独立した身。これまで培ったノウハウを、エンジニアの想いと企業側の人材ニーズをつなぐエージェントという立場」と切り出したのは、同社代表取締役の相澤庸介社長。

「いま最も多いのは、第二新卒の25歳から40代前半ぐらいまで。男性ばかりだが、ここ最近、2人の女性の転職を支援した。そのうちのひとりは、大手通信機器メーカーに勤めていた人で、もともとスマホの回路設計をしていた。でも通信インフラ試験をメインとする企業に行って、FPGA(field programmable gate array)というIC設計の仕事に就きたいという想いがつのり、大手を捨てて、100人規模の企業へ転職した」

「最近の若手エンジニアたちが次のステップとして注目しているのは、プレス機械、基盤画像処理検査装置、ライン露光装置、検査・搬送装置といった産業機械(ロボット)や、Tier1メーカー(完成品メーカーに直接納入する一次サプライヤー)など。もちろん、日産やホンダといった自動車メーカーへ行きたいという人も少なくないが、基本的に『会社へ行きたい』というより、『この仕事に就きたい』という声のほうが多い。待遇や規模ではなく、『どうしてもこの仕事がしたい』という技術者が相談してくる」

「まず求職者の就きたい仕事から趣味まで、あらゆることを聞く」という相澤社長、企業側を見る目もちょっと違う。「たとえば、工場の現場を見に行ったとき、在庫に無駄が積んであるのを見るとすぐに気になる。また、受付で担当者を待っているときに、社員の顔がいきいきしているか、厳しい表情かも見る。挨拶が自然に出て、環境がいい企業や、すみずみまで整理整頓されているなども、意外とよく見る。社長といっしょに工場をまわったときに、社員と社長の接し方などもよく見る」という。

技術者出身の社長の“視点の違い”はこんなところにも。会見終了後、メディアたちが離席しようとしたとき、記者陣のノートパソコンを見て「Chrome PC って実際使っててどうですか?」とこちらに聞いてきた。

《レスポンス編集部》

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