国土交通省港湾局は、港湾で船舶燃料としてLNG(液化天然ガス)を供給する「LNGバンカリング拠点」の整備方策をとりまとめた。
船舶の排出ガスへの国際的な規制の強化が2020年に開始されることが決まり、排出ガスがクリーンなLNG燃料船の普及が見込まれている。こうしたLNG燃料船の普及に対応するため、LNGバンカリング拠点を日本の港湾に整備することが重要となっている。
国交省では、港湾局が事務局となって今年6月に設置した「横浜港LNGバンカリング拠点整備方策検討会」が横浜港をモデルケースとしてLNGバンカリング拠点の整備方策について検討してきたが、今回、整備方策がまとまった。
それによると拠点整備に向けたロードマップとしてLNGタンクローリーからLNG燃料船へのバンカリングをより円滑、効率的に実施するため、11月からLNGタンクローリーの近接による効率化を実現した。
2020年からのフェーズ2で袖ケ浦基地を拠点としてLNGバンカリング船を導入し、コンテナ船やクルーズ船などの大型LNG燃料船へのバンカリングに対応する。バンカリング船の建造や、袖ケ浦基地の出荷施設の改修事業費として約60億円を見込む。
さらにフェーズ3では、横浜港内のLNG基地を拠点として、バンカリング体制を強化するため、桟橋などのLNG出荷施設を整備するとともに、バンカリング船を建造する。事業費は約100億円を見込んでいる。
実現に向けた取り組みとしては、LNG燃料船に対するインセンティブの付与や船社へのセールス、安価で効率的なLNG供給体制の早期実現、必要な諸制度の整備や国際的なLNG燃料供給ネットワーク構築に貢献が必要としている。
国交省では、引き続き関係行政機関、関係民間事業者と協力し、LNG燃料船への対応を通じて国内港湾の国際競争力向上を図る。