情報通信研究機構(NICT)、うるう秒の挿入を約1年半ぶりに実施

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2017年1月1日は、いつもより「1秒長い日」となった。
2017年1月1日は、いつもより「1秒長い日」となった。 全 15 枚 拡大写真

日本標準時の維持・通報を行っている国立研究開発法人 情報通信研究機構(NICT)は1日、「うるう秒」の挿入を実施した。日本標準時では午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「午前8時59分60秒」を入れることで「原子時」と「天文時」の調整を行っている。

世界で使用される標準時には、セシウム原子時計によって作られた「原子時」と、地球の自転に基づく「天文時」がある。セシウム原子時計は数十万年でも1秒の誤差といわれているが、天文時の基となる地球の自転速度は必ずしも一定ではないため、原子時と天文時は時間を経るごとに「ずれ」が生じてくる。この二つの標準時の間で生じるずれが0.9秒以下になるよう、原子時の方には数年に一度のペースで「うるう秒の挿入」を行って調整する。

うるう秒の挿入実施については、地球の自転観測している国際機関「国際地球回転・基準事業(IERS)」が決定し、世界同時に行う。日本標準時では「1月1日、もしくは7月1日の午前8時59分59秒の次に "60秒" を入れて調整する」ということが決まっているが、これは標準時のゼロ基準となっているイギリスでは「6月30日、もしくは12月31日の午後11時59分59秒の次に1秒を加える」となっているため、プラス9時間の時差が生じる日本では「イギリス時間に対して9時間後」となるためだ。

前回のうるう秒挿入は2015年7月1日で、今回は1年半ぶりの実施となった。NICT本部(東京都小金井市)ではうるう秒挿入にあわせて施設の一部公開も実施されており、気温の低い元旦にもかかわらず、多くの人たちが集まり、その瞬間を見守っていた。

《石田真一》

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