「大型・大型特殊・大型二種・牽引教習車」体験試乗会に参加してきました…バス&トレーラー

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韮崎自動車教習所の「大型・大型特殊・大型二種・牽引教習車」体験試乗会に参加してきました。今回は大型二種(バス)とけん引(トレーラー)に挑戦。
韮崎自動車教習所の「大型・大型特殊・大型二種・牽引教習車」体験試乗会に参加してきました。今回は大型二種(バス)とけん引(トレーラー)に挑戦。 全 15 枚 拡大写真

山梨県韮崎市の韮崎自動車教習所で、トラック・バス・大型特殊・トレーラーの教習車に乗ることができる「体験試乗会」を定期的に開催している。その試乗会を体験した模様をレポートする。

昨今、大型車ドライバーの需要は増えているという。しかしながら「実際自分にはあんな大きなクルマを動かせるだろうか?」「免許を取るとなると出費だし途中で挫折してしまうようなことはさけたい」、そんな声は大きいのだという。「ですので、一度試しに乗ってみる、という方が多くなってます」と、教官としてお付き合いいただいた韮崎自動車教習所の中込氏は話す。

例えば、バス会社などが未経験者を採用するにあたって大型免許・二種免許の取得費用をサポートするケースは多い。そういうケースではそのあとの最低勤務期間が設けられている場合があり、免許取得を途中で挫折してしまうと、費用を個人で負担することになる。もちろんライセンスは取れずじまい。そのような事情から、安心してスタートを切れるこの制度があるとないとでは大違い。

筆者は大型二種(バス)とけん引の体験試乗に挑戦した。大型二種はいわゆる、普段街中で見る、大型バスでの教習だ。乗る前に簡単なレクチャーを受ける。「確かに大きいですし、トラックと違うのは、前の車輪が自分よりだいぶ後ろについている点です。あと、急ブレーキなど、快適性を損なうばかりか、乗客を危険な目に合わせるような運転はご法度ですね」と中込氏。

いざ乗ってみると、乗用車とも、以前に体験した大型トラックともかなり違うのが印象的だった。着座位置、そこに起因する視線の高さが違い、トランスミッションの構造も電気的な信号で変速するタイプで、滑らかでショックが少ない。タイヤの位置を意識しながら、ハンドルを切り始めるタイミングを見計らうと、思いのほか小回りが利くことがわかる。

「旅客乗務のための二種免許は、免許の中では数少ない、“質”を問われる免許かもしれませんね。ブレーキもアクセルも丁寧に優しくしないと乗客はたまったものではありませんから」。確かにそのとおりである。普段乗るだけのバスを運転できる機会はなかなかない。そういう意味でもこの体験は価値がある。

「難しいのはけん引免許の教習です。教習車はあらゆるけん引(トレーラー)の中で一番難しいかもしれません。なぜなら、トラクターヘッド(前でけん引するトラクタ部分)とリアで引かれるトレーラー部分の長さがほぼ同じです。それだけに、まっすぐ後退しにくく振れやすいし、曲がるときもかなり神経質に動いてしまうので、器用にコントロールしてあげなくてはなりません。普通に走っているトレーラーは、前が短く後ろが長いので、それほど神経質に曲がりません」

一番難しいのは後退時。その時のコツを中込氏は教えてくださった。「基本は、曲がった体勢になったとき、『もうこれ以上こちらに曲がっては困る』という方向にハンドルを切る、です。そうするとトラクタが、その向きとは逆方向にトレーラーが向くよう押します」。言葉では簡単そうだが、実際やってみるとなかなか難しい。車庫入れは体験時間いっぱいの3回ほどチャレンジして、ラスト1回というときにどうにかそれらしくスペースに収まった。

「けん引は難しいようですね。特にこの教習が難しいとみなさんおっしゃいます。トレーラーを何台もお持ちの運送会社の社長さんが、自分も免許を取ると言って通ってこられました。車庫入れなどもできて『よしできそうだぞ』と会社の駐車場で自社のトレーラーを使って行ったところ、現役の社員ドライバーに『社長、教習車の方が難しいですよ』と言われたそうです。これより難しいことはないでしょう。教習だからこそマスターしていただきます」

また最近ではキャンピングカーが流行っており、キャンピングトレーラーでけん引免許は要らないものの、運転の癖を一度知っておきたい、とこの体験に参加する人もいるそうだ。「けん引に限らず、体験だけのつもりで参加して、そのあと結局入所し、通うようになられた生徒さんもいらっしゃいます。大きいものを動かす乗用車と違った喜びを感じたり、車輪の位置に敏感になったりと、ワンランク上のドライビングテクニックに触れることで、本格的にチャレンジしたいと思われるようですね」と中込氏。

韮崎自動車教習所の体験試乗会は、年末から年度末にかけては新社会人などの教習が多くなるので、例年は4月以降の週末に予約制で開催されている。

《中込健太郎》

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