【新聞ウォッチ】豊田社長9年目の”組閣” 人事、目玉は初のトヨタ学園出身の副社長誕生

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トヨタ自動車の河合満現専務役員
トヨタ自動車の河合満現専務役員 全 1 枚 拡大写真

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年3月2日付

●米経済を「再起動」トランプ氏、同盟重視強調、初の議会演説、インフラ投資1兆ドル(読売・1面)

●日本企業追い風期待、車業界広がる戸惑い(読売・12面)

●メキシコで車部品生産増強、ヨロズ会長「競争力高い輸出拠点」(朝日・11面)

●ITで運転支援損保が開始、事故減も(毎日・7面)

●出光に合併撤回求める、創業家の新代理人会見(毎日・7面)

●ダイハツ社長に奥平氏、トヨタ、日野自には下氏(毎日・7面)

●NY株初の2万1000ドル台(産経・2面)

●便利さ追求限界、ヤマト、残業1割減、総量抑制へ値上げも(日経・1面)

●東洋ゴム「非自動車」売却へ、不祥事の建材事業など(日経・13面)

●自動車大手の2回目春季交渉、ベア水準労使隔たり、日産、実施には一定の理解(日経・13面)

●新車販売2月7.4%増、登録車7か月連続前年超え(日経・15面)

ひとくちコメント

3月に入り「人事の季節」を迎えたが、トヨタ自動車なども4月1日付で異動する役員・幹部級の人事を発表した。

きょうの各紙が主要企業の人事を取り上げているが、日経の「企業・人事」面は全ページにわたって掲載している。このうちトヨタの人事異動だけでも15段ある紙面のほぼ1段分を埋め尽くしており、JFEエンジニアリングやパナソニックほどではないが、昇格も含めて大幅な人事異動となっている。

今回の目玉のひとつには、グループの連携強化を図る狙いがあり、昨年8月に完全子会社化したダイハツ工業の社長にはトヨタの奥平総一郎専務役員が就任、生え抜きの三井正則社長は会長に退く。また、日野自動車の社長には日野自動車出身で、16年からトヨタに出向している下義生常務役員が就任する。トヨタが2001年に日野を子会社化して以降、生え抜きのトップは初めてという。日野も生え抜きをトップに据えることは、ダイハツの例もあることから近い将来に「完全子会社化」もよぎる。

また、サプライズ人事では、企業内学校の「トヨタ工業学園」出身で高校卒業資格を取得した生産現場の経験が長い河合満専務役員を執行役員副社長に昇格、安全健康推進部を担当する。さらに、トヨタ学園出身では学園長をつとめている田口守氏を専務役員に抜擢する。河合氏は69歳、田口氏は65歳だが、現場経験が豊富な大ベテランの指導で技能の伝承にみがきをかける狙いもある。

一方で、女性外国人役員の退任後、手薄だった広報・渉外担当の役員には、富士重工業の専務執行役員で海外第二営業本部長の村上晃彦氏を専務役員兼コミュニケーションズオフィサー渉外・広報本部長に起用。コネクテッドカンパニーのプレジデントになる友山茂樹専務役員も新たに渉外・広報本部も兼務する。

きょうの日経には「トヨタ現場重視の新体制・章男氏、9年目の本気度」とのタイトルで解説記事を掲載している。人事の中身もさることながら、還暦を過ぎた豊田章男社長も、この6月ですでに社長在任9年目。リーマンショック後の荒波を受けて「どん底の中の船出」から、大量リコール問題でのバッシング、東日本大震災など数多くの困難を乗り越えてきたが、今回の“組閣”人事では世代交代も進み、かつての「悲劇のプリンス」も、もはや長期政権に入ったとの認識を新たにさせられた。 

《福田俊之》

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