昨年10月、愛知県一宮市内でトラックを運転中、スマートフォンのゲームアプリに気を取られ、小学生をはねて死亡させたとして、過失致死の罪に問われた36歳の男に対する判決公判が8日、名古屋地裁一宮支部で開かれた。裁判所は禁錮3年の実刑を命じている。
問題の事故は2016年10月24日の午後4時10分ごろ発生した。一宮市あずら1丁目付近の市道(片側1車線の直線区間、横断歩道あり、信号機なし)で、徒歩で横断歩道を渡っていた9歳の男児に対し、減速しないまま交差進行してきたトラックが衝突。男児は頭部強打が原因で死亡した。
警察はトラックを運転していた36歳の男を逮捕したが、聴取に対して男は「運転中はスマートフォンを助手席のシートに置き、必ずゲームアプリ(ポケモンGO)を起動させていた」、「事故を起こしたときも前をよく見ていなかった」などと供述。検察は前方不注視が事故につながったものとみて、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失致死)の罪で男を起訴していた。
8日に開かれた判決公判で、名古屋地裁一宮支部の村瀬賢裕裁判官は「被告はゲームをしながらの運転を日常的に繰り返していた」と認定。その上で「交通ルールや安全性への認識に乏しさがあり、怒るべくして起きた事故と言える」として、被告に対して禁錮3年の実刑判決を言い渡している。