今年で38回目となる「バンコク国際モーターショー」が、本日(3月27日)のVIPデーを皮切りに、4月9日までの約2週間にわたって開催される。毎年1回、ほぼ同時期に開催されるこのショーは、およそ170万人のお客が訪れる世界有数のモーターショーとなった。
日本自動車工業会の資料によれば、タイは年間約200万台近くが生産されるアジアではダントツの自動車大国。日本を含む世界の有名自動車メーカーが生産工場を持ち、ここで製造した車両は関税がゼロとなるアセアン域内の輸出される。生産台数の約6割が輸出されるという。
ただ、タイでの国内販売は低迷が続く。4年前まで続けられたファーストカーインセンティブによる駆け込み需要の反動が今も続いている上に、昨年の国王死去による買い控え意識が根強いからだ。ただ、今年はファーストカーインセンティブの転売禁止期間が終了する。これを機に販売増への期待は一段と高まりつつある。
バンコクは日本や欧米で開催されるショーとは少し趣が異なっていて、会場で新車販売の受注合戦が繰り広げられる。アジア各国で開催されるモーターショーはすべて同様の光景が見られるが、このショーでの受注は例年4万台前後にも上る。つまり、このショーでの売上げは、その一年の販売台数を占う試金石ともなっているわけだ。
会場はバンコク郊外の「インパクトアリーナ」国際展示場で開催される。都心から30km以上、最寄り駅からも15km以上も離れており、とにかく公共機関で訪れるのはなかなか大変だ。やっかいなのはタクシーで、都心から乗ろうとすると「Very Far!(遠過ぎる)」と断られることもしばしば。日本なら長距離客は歓迎されるはずだが、ここでは違う。
それでも会場に足を踏み入れれば豪華な造りに圧倒される。フロアは大理石がふんだんに用いられ、どこを見てもピッカピカに磨き込まれている。レセプションルームには天井から豪華なシャンデリアがぶら下がっていて、それは日本で見る展示場とは桁違いの豪華さだ。会場はさほど広くない。一つ屋根の中でコンパクトに開催されているという感じだ。
そんな38回目を迎えるバンコク国際モーターショーの模様を、今後お伝えしていく。