今年8月に生産終了した50ccレジャーバイク『モンキー』。発売開始は1967年(昭和42年)で、2016年末までのシリーズ累計生産台数は約66万台にもなるロングセラーモデルだったが、排ガス規制の強化によって惜しまれつつ姿を消した。
その復活を願うファンの声は、ホンダにもしっかり届いていたようだ。ホンダブースには、後継機種らしき姿があった。
しかしデザインは同じだが、車体がひとまわり以上も大きい。なんと飾られているのはエンジン排気量125ccだ。発売は反響次第だという。
デザイン室のチームリーダー立石康さんによると、「従来のモンキー、そのままのカタチを125であらわした」という。
「高いハンドル、太いタイヤ、タイヤと離れたフェンダー、背の高いシート、アップマフラー、モンキーそのままです」(立石さん)
前後8インチだったタイヤは12インチになっているが、立石さんが言うとおり、たしかに50cc時代のモンキーがそのまま大きくなっている。
フレームとエンジンは、同社の125ccモデル『グロム』をベースとしている。モンキーらしく、前後がギュッと詰まったスタイルを再現するために、ホイールベースはグロムより短い。
Honda R&D Southeast Asia Co.,LTD Product Engineering Division の勝田純平さんはこう言う。
「125ccになればスピードも上がりますし、モーターサイクルとしてのライディングをより楽しめるものとなります。サスペンションは倒立式ですし、ブレーキも前後ともディスク式にグレードアップしてあります」
展示されていた車両は、いまにも量産可能と言わんばかりの完成度。モンキー50年の歴史は、まだ終わっていなかった。新時代の幕明けは間もなくかもしれない。