アストンマーティン東京ショールームオープン、世界最大の販売ディーラーに…アンディ・パーマーCEO

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アストンマーティン DB11
アストンマーティン DB11 全 16 枚 拡大写真

アストンマーティン東京を運営するスカイグループは11月1日、東京青山にフラッグシップディーラーとして、アストンマーティンの最新CIに基づくショールームをオープンした。このショールームにより近い将来、販売台数において世界最大のアストンマーティンディーラーになると期待されている。

◇ラグジュアリーカーの頂点を極めるブランドへ

アストンマーティン東京を運営するスカイグループが、アストンマーティンビジネスを決断、スタートする決め手は何か。スカイグループCEOの笠井成人氏は、「優れた商品はもちろんだが、アンディ・パーマーCEOの言葉が大きく左右した。社長曰く、アストンマーティンはラグジュアリーカーの頂点を極めるといったのだ。そこで、是非我々がこのビジョンを実現するためにチャレンジしたいと強く思った」とコメントする。

そして、「アストンマーティンは栄光の歴史、それと抜群の知名度があり、最高の品質を求め、最新のテクノロジーを追求するメーカーだ。それにもまして、この長い歴史の中で本当のラグジュアリーとは何かということを熟知しているメーカーだ。このメーカーが、社長が示されたようにしっかりとした方向性を持って進んでいけば、私は間違いなく社長のビジョンであるラグジュアリーカーマーケットの頂点を極めることは現実になると思った」とし、「東京という大マーケットを預かる我々にとって非常にチャレンジブルなテーマだ」と今後の意気込みを語った。

現在スカイグループはラグジュアリーカーからプレミアムカーまで9ブランドを展開している。「新車、中古車、アフターサービスは当然のこと、モータースポーツにおいても、豊富なレース経験によりサポートしていきたい。また、タイムレスコンセプトのもと、ビンテージカーの提供、あるいはレストレーションも行っていきたい」とビジョンを述べた。

◇日本はアストンマーティンの成功のカギを握るマーケット

今回のショールームオープンのために来日した、アストンマーティン・ラゴンダリミテッド プレジデント&CEOのアンディ・パーマー氏は、「世界で第二のラグジュアリーマーケットとして日本はアストンマーティンの将来の世界的な成功のカギを握る存在だ」と期待を寄せる。そして、「スカイグループによってオープンした最先端のディーラーシップや、21日に開設されるアストンマーティンのブランドセンター東京への投資は、その計画の基盤となる大きな一歩になる」とコメントし、「アストンマーティン東京が世界最大の販売ディーラーになることをお知らせしたい」と述べた。

現在日本市場において、アストンマーティンの業績の伸びは著しく、2015年は164台、2016年は186台、そして、2017年は9月現在で247台が登録された(いずれもJAIA調べ)。パーマー氏は、「2017年はおよそ300台となるだろう。その半数が東京での販売だ。そして、2018年、アストンマーティン東京がディーラーとしてフルに活動する1年目になる。日本全体の販売台数は400台を見込んでいるので、東京は約200台という計算だ」と発言。

さらに、日本の販売台数はアストンマーティンのグローバルセールスの「約10%を占めている」とし、アストンマーティンは2018年、グローバルでの販売台数を、「約5000台とすると、日本においてはおよそ400台となるだろう」と述べた。

今後に向けての予測では、「2021年にグローバルで1万2000台、そのうち日本はおよそ1000台の販売台数になる予定だ」とパーマー氏。この大きな成長を成功させるために、「スカイグループといった志を持ったパートナーが必要だった」とディーラー網再編について語った。

◇新車のみならずクラシックカーも視野に展開

アストンマーティン東京ショールームに隣接してアストンマーティン・ラゴンダ社が直接運営するブランドセンター、“The House of Aston Martin Aoyama”が11月21日にオープンする。笠井氏はこのブランドセンターについて、「いわゆるディーラーのショールームではなく、アストンマーティンの哲学、あるいは歴史を日本の皆様に伝えるコンセプトのもとに、そのためのスペースだ」と位置づける。

そして、ディーラーのショールームにブランドセンターが隣接するというコンセプトは、「世界で初めてだ。つまりアストンマーティンが日本のマーケットに力を入れていることの現れだ」と本国の期待の高さを強調する。

アストンマーティン東京取締役の伊藤秀典氏は、ショールームとブランドセンターの隣接について、「クルマを買うために、クルマを見に行ったり、試乗しに行くのがショールーム。一方、ブランドセンターはアストンマーティンを知ることが出来るところ。買うには繋がらないが、博物館に行こうとか、コレクションを見に行こうという位置づけ」とそれぞれの役割を述べる。

スカイグループは9つのプレミアム、あるいはラグジュアリーブランドを扱っている。その中でアストンマーティンはどういう位置づけか。伊藤氏は、「GTカーをメインにしながら、なおかつスペシャルカーのヴァルキリーなどの尖ったクルマも作っている。さらにこれから発売されるSUVの『DBX』も投入するなど、今後、よりお客様の層が広がると考えている」と述べる。

しかし、ラグジュアリーブランドとして台数が増えるのに懸念はないのだろうか。伊藤氏は、「一概に台数が増えるといっても、単にGTの中で1000万円や、700万円のモデルを出せば、そのカテゴリー内で台数が増えていくだろう。しかし、アストンマーティンの場合はそうではなく、違うユーザー層、DBXが欲しい人はSUVカテゴリーのアストンマーティンを選ぶ。従って、ひとつの車種がカテゴリーの中で増えるのではなく、別のカテゴリーで台数が増えることから、ラジュアリー感は崩すことはないだろう」と説明した。

そして、クラシックカーの扱いに関しては、「ブランドセンターの2階はクラシックカーしか展示しない。世界的に見てもクラシックカーだけのショールームは、本国のアストンマーティンワークスと日本のブランドセンターぐらいしかないだろう。我々は、そのアストンマーティンワークスから程度の良いヘリテージカーを定期的に輸入して販売する予定だ。レストレーションもワークスでしっかりと行う」とし、新車のみならず、クラシックカーにおいても万全の態勢で臨むことを語った。

《内田俊一》

内田俊一

内田俊一(うちだしゅんいち) 日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を活かしデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。保有車は車検切れのルノー25バカラとルノー10。

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