東京メトロ半蔵門線に新型車両 18000系 登場…アルミ車体「A-train」規格、8000系置き換え

東京メトロ18000系
東京メトロ18000系全 12 枚

1980年製造の8000系、2002年製造の08系、さらに相互直通先の東急田園都市線・東武伊勢崎線の車両が乗り入れる、東京メトロ半蔵門線。この半蔵門線むけ新型車両18000系が、日立製作所でつくられ、各種性能試験を経てことし8月から営業運転につく。(6月2日内覧会)

営団地下鉄がつくった8000系・08系よりもあわいパープル帯をつける新型車両 18000系は、ひと足先の2020年に営業運転に入った有楽町線 17000系10両編成と基本設計はほぼ同じ。

製造所も同じく日立製作所で、アルミボディ車体プラットフォーム「A-train」を採用する。製造両数は、10両編成19本の予定。経年40年の8000系19本を同数で置き換えるかたちだ。

動力組成は4M6T、アルミニウム合金性オールダブルスキン構体

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18000系の動力組成は、先頭車がモータなし車(T)、中間車にモータつき車(M)が4両組み込まれる4M6Tで、T-M-T-M-T-T-M-T-M-Tと車両をつなぐ。

制御装置は、フルSiC素子VVVFインバータ制御。1MM個別制御×4群で、常用加速度は3.3km/h/s、常用減速度3.5km/h/s。最高運転速度110km/hはだが、最高設計速度120km/hとなっている。

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ボディはアルミニウム合金性オールダブルスキン構体。オフセット衝突安全性向上に対応している。列車無線は、デジタル空間波無線が東京メトロのほか東急・東武に対応、アナログ空間波は東急・東武に対応している。

自動列車運転装置ATOに準備対応、密着連結器を採用

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保安装置は、メトロ・東急対応のATC、メトロの無線列車制御システム(CBTC)に準備対応。東武対応の変調式ATS(TC・ATS準備対応)、さらに学習・定速機能・定時運転支援・省エネ・乗り心地向上などの地点検知車上演算方式による自動列車運転装置ATOも準備対応している。

また有楽町線用17000系と同じく、先頭車は密着連結器を採用。8000系・08系の自動連結器をやめ、密着連結器を採用したのは、東武鉄道などの動きにあわせた対応だ。床下に自動連結器アダプターを格納し、非常時などは自動密着連結器で連結対応する。

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外観は8000系・08系の表情を継承、客室はパープル感

外観は、8000系・08系の端正な表情を継承し、直線的なヘッドライトを採用することで、親しみやスタイリッシュさが感じられる外観にしたという。車端上部にフリースペースのサインを掲示し、車いすとベビーカーの利用客の視認性を向上させた。

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客室内は、半蔵門線のラインカラーの色彩に同調させ、明るさや活気を感じさせる車内空間に。連結面、座席横の仕切り、荷棚に透明な強化ガラスを採用し、車内の開放感を高めている。

遠隔モニタリング搭載、消臭・抗菌・抗ウイルス加工シート採用

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18000系は、車両情報監視・分析システム(TIMA システム)を導入し、走行時の機器状態を、総合指令所や車両のメンテナンスを行う部署から遠隔でモニタリングできる。こうした仕組みは、JR東日本の通勤型車両などに追従する新機材のひとつ。

座席モケットは消臭・抗菌・抗ウイルス加工が施された座席表地を採用し、座席幅は8000系の430mmから460mmへと30mm拡大した。

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2025年度までに19本を製造、8000系を置き換え

また全車両にフリースペースを設置。有楽町線17000系と同様に車両とホームの段差を低減するホーム側傾斜角度をつけ、車両床面高さも従来型の1200mmから1140mmへとダウンさせている。

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さらにフリースペース付近のドアのレールに切り欠きを施し、車いすやベビーカーの利用客むけに乗降性を向上させている。

いよいよこの夏から走り出す、東京メトロ半蔵門線18000系。2025年度までに19本がつくられ、営団地下鉄時代に製造された8000系を置き換える。

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《レスポンス編集部》

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