阪神電気鉄道(阪神)は10月12日、ダイヤ改正を12月17日に実施すると発表した。今回の改正では阪神なんば線を(尼崎~大阪難波)経由して、近畿日本鉄道(近鉄)奈良線へ直通する快速急行の運行態勢が見直される。
かつて阪神の本線内は19m車6両編成までにしか対応していなかったため、阪神なんば線開業後は尼崎駅で8両または10両編成に対する連結・解放作業が必要だったが、2020年3月のダイヤ改正では一部駅のホーム延伸が実現したことから、土休日は快速急行がほぼ8両編成での運行となり、作業を解消。さらに今回の改正では平日夕ラッシュ時以降も同様の運行態勢となることから、平均到達時間は大阪難波~神戸三宮間が3~4分、近鉄奈良~神戸三宮間が5分短縮される。
平日夕ラッシュ時における下り快速急行と急行の運行イメージ。現在は快速急行が尼崎で連結解放作業を行なっているため、西宮までは大阪梅田発の急行に乗り換えたほうが早かったが、改正後はその必要がなくなり、快速急行の武庫川・今津の追加停車でこれらの駅への到着も早まる。また、快速急行の停車駅も見直され、平日の日中以降と土休日の終日は武庫川・今津の各駅に停車。芦屋駅(兵庫県芦屋市)は平日朝ラッシュ時のみの停車となる。一方で、平日日中(9時30分頃~16時頃)において本数の見直しも行なわれ、大阪難波~神戸三宮間では1日あたり上下各8本を減便。1時間あたり3本から2本の運行となる。
快速急行の減便に伴なう運行イメージ。大阪梅田~西宮間では尼崎までの急行が1時間あたり1本西宮まで延長されるため、同区間の運行本数は変わらない。このほか、平日朝ラッシュ時は大阪梅田発の下り急行2本を区間急行に変更。大阪梅田駅や神戸三宮駅では終電の繰上げが実施される。
阪神の改正に合わせて、乗入れを行なっている山陽電気鉄道(山陽電鉄)でもダイヤ改正が実施され、早朝時間帯における下り特急の増発、平日夕ラッシュ時における上りS特急の増発(1本→3本)、姫路・飾磨・網干方面から明石・須磨方面への最終連絡時刻の繰下げ、終電の繰上げなどが行なわれる。
阪神1000系による山陽電鉄直通列車。