田中泰チーフエンジニアは「メルセデス・ベンツやBMWがスポーティに変身して、若さを主張しているのですが、新型『セルシオ』はホイールベースを延ばし、背を高くして落ち着きのある方向を目指しました」と、新型とライバルを比較する。
世界的に高級車のトレンドは、メルセデス・ベンツやBMWのようなスポーティ路線、キャデラックのようなハイテク主張路線、のいずれかに性格分けできる。セルシオの目指す高級車はどちらだろうか。
「もちろんハイテクですね」と答えるのはデザインの責任者、第1デザイン部長の御園秀一さん。「また高級ブランドのレクサスのフラッグシップですから、プレステージ感は不可欠です。ただし形としてはダイナミックさを目指したんですよ。先代とは変えるということが前提でしたからね」
新旧の違いと継承、プレステージ感とダイナミズム、これら相反する要素の間で微妙なバランスをとっているのが新型セルシオのいちばんの特徴だと言える。