世界12カ国で生産され、140カ国で販売、年間60万台を販売するという、ホンダの世界戦略車が『シビック』である。新型“スマート”シビックでは、ワールドマーケットを照準に、さらに効率・先鋭化した生産体制を作り上げた。
プラットフォームを共有化し、異なるボディースタイルを開発する生産方式は、シビックの得意とするところ。国内販売される5ドア・モノフォルムと4ドア・セダンをはじめ、欧州にはモノフォルムと3ドア・ハッチバック、北米にはセダンと2ドア・クーペ、アジアにはセダンといったように、世界各地域の市場に合わせた車種をラインナップしている。
さらに今回は、日本、北米、英国、アジアなど、世界主要拠点それぞれでの完成車生産体制を構築している。世界の工場でのさまざまな生産要件を設計に盛り込むために、栃木にある技術センターで情報管理。一方、デザイン、設計、各シミュレーションについては、データを世界規模で共有し、相互補完を徹底していく。
こうしたモノづくりの体質改革は、シビックを契機に進められ、すでにアメリカ、カナダの生産が立ち上がっている。年内には、他の主要量産拠点でも、汎用性の高い、柔軟な生産体制へと移行が完了するという。シビックは、ホンダが21世紀の企業体として進化させるための大きな役割を果たすのである。