トヨタが2005年東京モーターショーに向けて早くも動いた! たいていのメーカーでは来年のショーカー開発が始まったかどうかのタイミングだが……。トヨタは、デザインを教える東京コミュニケーションアート専門学校(以下TCA。東京都江戸川区)の自動車デザイン科において『トヨタゼミ』を開講したのである。
そしてそのデザイン・テーマが『2005 TOKYO MOTOR SHOW トヨタブースを飾るモーターショーカー』。カーデザイナーの卵たちは自分たちのフレッシュなアイデアを出し合い、2005年のショーカーをデザインした。
このゼミは将来の若いデザイナーを育成する一貫としてトヨタが行ったもので、講師もトヨタの現役デザイナーが担当する。TCAで指導にあたったのは東京デザイン部・西友康担当員。TCAではこういった企業との合同プロジェクトを多数行なっている。今回のテーマは、21世紀に向かって次世代のマーケットを切り開くような、オリジナリティのあるモーターショーカーの提案を求めたもので、10名の学生がこの課題に取り組んだ。
プロジェクトは今年5月から8月初旬にかけての約3カ月間行われた。学生はコンセプトの立案からアイデアスケッチを展開し、パネルにまとめ、まず学内プレゼンテーションに臨んだ。そして優秀者5名が9月26日、トヨタの東京デザイン研究所(八王子)において、東京デザイン部部長・水谷敏明氏をはじめとするトヨタのデザイナーの前でプレゼンテーションした。
“ショーカー”という課題だったため、学生は自動車という型に縛られないで、自由な発想によりクルマを創ることができた。また彼らにとっては、メーカーのデザイン部長の前でプレゼンテーションするというのはまたとないチャンスであり、水谷部長の方も「東京デザイン部にとって良い刺激となりました」と述べていた。学生とトヨタ東京デザイン部、双方にとって実り多いプロジェクトであったようだ。
これから学生作品を順次紹介していこう。