今回はいすゞのみがトラックでのデザインモデルを出品してきた。残念ながら5分の1モデルではあったが、そのデザインは商用車とは思えないほどこれまでになく斬新なものである。
それもそのはず、デザインを担当したチームには、去年の東京ショーに出品されたいすゞのコンセプトカー『回』と同じメンバーがいるというのだ。デザインセンターグループリーダーの北島茂明氏にうかがった。
「我々はアイコンデザインを意識しています。つまりどこかにあるなというのではなく、パッと見てそれと分かるデザインですね」と語る。そこで選んだのが“ジャパニーズ・モダン”だったのだという。これは回と全く同じデザインソースである。
北島氏は「日本文化の持っているシンプルな構成、強いカタチをモチーフにしています」と語る。例えば、FL1の特徴的なフロントウインドウのカタチは“扇子”がモチーフだという。他にもボンネットの部分のインテークのような部分は直線が使われるなど、各所に回と共通した“ジャパニーズ・モダン”のアイデンティティがちりばめられている。
デザインばかりに目がいってしまうが、効率ということを考えて空力にもきっちり配慮がなされている。FL10などは、フロントの前面にこれまでのトラックに見られなかったほどカーブをかけられた面構成となっているし、FL1、FL10共に空力を意識したルーフの形状を採る。
FL1などは少し変えてミニバンにしてしまってもいいのでは、と思うほど商用車だけにしておくにはもったいないデザインである。