フォルクスワーゲン『ゴルフ』のリアサスペンションに、初めてマルチリンクが採用される。フォード『フォーカス』に対抗するためだとか。イギリスのVWゴルフファンにとって喜ばしいニュースだろう。モデルチェンジのたびにハンドリングがさえなくなってきたと嘆いていたのだ。
近年のVW車とアウディ車のハンドリングは、イギリスの自動車ジャーナリストからも非難されていた。そこでVWでは、イギリスで販売される全モデルのサスペンションをグレードアップすことになったのだ。従来アメリカと日本向けには専用セッティングが施されていたが、ヨーロッパ向けには全地域で共通セッティングだった。「イギリス人はもっと上質なハンドリングを好むのです。どちらかと言ったらスポーティな、クルマの挙動がじかに体で感じられる走りを求めます」と、VWのエンジニアは設計変更の成果に自信を持つ。
今後、VWとアウディのイギリス向けモデルは専用のテストをパスしなくてはならない。しかし2004年にデビューが予定されている次期ゴルフは、この厳しいチェックを受けなくてもいいらしい。つまり当初からイギリス市場で受け入れられるような足まわりを持っているということだろう。