日産が10日に発売した『MOCO』(モコ)はスズキ『MRワゴン』ベースのOEM供給だ。日産側の開発リーダーである、商品企画本部目商品企画室の松岡俊光セグメント・チーフ・プロダクト・スペシャリストは「MRワゴンとの差異化はとくに意識しなかった」という。
差異化を意識しないということは、住み分けずにそのまま競合するということになる。MOCOとMRワゴンとの相違は、エクステリアデザインのディティール、内装色・素材と一部の外板色。価格は、NAエンジン搭載車は日産仕様がスズキ仕様同グレードに2万5000円プラス、ターボエンジン搭載車は同額だ。
月販目標はMOCOの4000台に対し、MRワゴン1万台となっている。スズキの方が軽自動車販売により多くのノウハウがあるにせよ、同一の商品企画で月販4000台と月販1万台の2車が市場で競合しないわけがない。
あるいは日産がスズキとの差異化を意識せず、またスズキがライバルにタマを供給するわけもないから、合計月販1万4000台の規模が市場に存在するとも考えられる。さらにスズキとしては、日産ブランドだろうとスズキ・ブランドだろうと合計で売れればいい、と考えているのかも知れない。