3日夜、静岡県静岡市の全域で、NTTドコモの携帯電話から110番と119番の緊急通報ができなくなるというトラブルが起きた。同社の交換機のトラブルによるもので、故障原因の特定に手間取った結果、携帯電話からの緊急通報が約6時間、完全に停止した。
NTTドコモ東海の調べによると、このトラブルが発覚したのは3日の午後6時ごろだという。静岡市消防本部から「同じ利用者と見られる携帯電話からの緊急通報が3回連続で入ったが、いずれも無言のまま切れた。故障ではないのか」という連絡が入った。同社が緊急点検を行ったところ、警察への110番、消防への119番を受け持つ交換機が故障しており、接続はできるものの通話が不可能になるというトラブルに陥っていることが判明した。
影響を受けたのは静岡市内の基地局で受信する緊急通報で、ユーザー数の算定から約12万人が影響を受けたものとみられる。トラブルの特定と交換機自体の切り替えに手間取り、消防へは6時間、警察へは7時間もの間、連絡が取れなくなってしまった。ただ、幸いなことに大きな事故は発生せず、必要な緊急通報も他社の携帯や一般加入電話、公衆電話などからなされ、特に大きなトラブルには発展しなかったようだ。
ドコモ東海によればこうした交換機の故障は珍しく、特に緊急通報用のものがダウンした例は過去に無いという。