25日未明、神戸市灘区で酒に酔った男が救急車を乗り逃げするという事件があった。男は約30分に渡って奪った救急車で気ままなドライブを行ったが、通報を受けて出動した警察のバトカーによって発見され、窃盗の現行犯で逮捕されている。
兵庫県警・灘署の調べによると、事件が起きたのは午前3時ごろだという。事件発生よりおよそ30分前の午前2時30分ごろ、神戸市灘区桜ケ丘町にある市営住宅の住民から「酒に酔った他の住民が壊れた火災警報装置を止めようとして手にケガを負った」という119番通報があった。
通報を受けた救急隊員が駆けつけたところ、この住宅に住む53歳の男性が泥酔状態で火災報知器を叩くなどして暴れていた。報知器のプラスチック部品が割れた際、手に切り傷を負い、流血状態であることから救急隊員が「応急処置をしましょう」などとなだめていたところ、男が駐車してあった無人の救急車に乗り込み、そのまま逃走した。
救急隊員は「救急車が盗まれた」と警察に通報。警察がパトカーを周辺に派遣し、不審な救急車の捜索を行った。約30分後、灘署近くの路上をフラフラとした挙動でゆっくりと走る救急車を発見。パトカーで進路を塞ぐなどして強制停車させ、運転していた男を窃盗の現行犯で逮捕した。
男は泥酔状態で興奮が激しく、取り調べを行えない状況にあるという。