伊予鉄グループも当初は、利用者減少に料金値上げで対応し、さらに利用者減少を招く負のスパイラルに陥っていた。しかし2001年、伊予鉄グループは「サービス向上」に方針を転じる。
「まず、地方の私鉄としては希有な、運賃値下げを行いました。運行ダイヤを見直し、車両と施設の近代化を行った。バスの全車両にドコモのバス・ロケーションシステムを導入するなど新サービスも取り入れた」(西野氏)
2001年以降、伊予鉄グループでは合計6回にわたり様々なサービス向上プログラムを導入し、2001年には公共交通部門の利用者減少が止まった。さらに2001年以降は利用者数が右肩上がりの成長に転じているという。クルマ社会に押され続けた地方の公共交通にとって、利用者が増え続けているというのは、全国でも“異例の快挙”である。
サービス向上プログラムが奏功した伊予鉄グループでは、次のステップとして、2004年から新たな5カ年計画「いきいき交通まちづくり宣言」という発展プログラムを導入した。この柱の1つが、交通IT化のさらなる推進だ。その柱が、非接触IC FeliCaによるIC乗車券の投入と、おサイフケータイへの対応だ。
伊予鉄グループでは当初から伊予鉄グループの電車・路面電車・バス・タクシーという複数の交通事業すべてでの統一導入を想定しており、国内では異例の複数タイプのサービスが同時導入になった。
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※「『おサイフケータイ×公共交通』から拡大する新たなるビジネスの胎動」では、e-カード常務取締役である西野元氏によるサービス開始後の最新事情や今後の展望についての講演、ジャーナリスト神尾寿によるITS最新事情のレポート、パネルディスカッションなどが行われます。