タイの三菱自動車ラムチャパン工場で生産され、2006年秋には日本へも輸入する予定のピックアップトラック『トライトン』。実際に現地で試乗することができたが、驚いたのはラダーフレームのシャシーにリーフリジッドのリアサスペンションを組み合わせているにもかかかわらず乗り心地がいいことである。
「実は、新しい技術や凝ったメカニズムを採用したわけでもないのです。ただ、今までと考え方を変えてみました。」というのは、トライトンの開発をまとめた三菱自動車工業商品開発・環境統括部門プロダクトエグゼクティブの上杉雅勇さんだ。
「過積載を前提としないサスペンションにしたのです。すると、必要以上にバネを硬くする必要がないので乗り心地もよくなるんですよ」(上杉さん)
日本で大型トラックの過積載が問題になっているように、タイの道でもたくさんの荷物を積んだピックアップトラックを数多く見かける。これまではそんな“現状”にあわせて自動車メーカーがクルマを作っていたが、正しい使い方を前提としたクルマ作りにシフトすることによりクルマは正常進化するのだ。トライトンに乗って、そんなことを身をもって再認識することができた。