『E320 CDI』の完成度は、もはやよくできたガソリン車以上のものであった。気になるのは「どのくらいディーゼルであることを感じさせるか?」ということだろう。
アイドリング時や走行時の静粛性についてはベンツ自体が昔から防音対策に力を入れていたおかげで、ほとんど気になる部分はない。しいていえばアイドリング時に耳をすませると、ちょっとだけディーゼル特有のカラカラ音がする程度だ。
動力性能は3.5リッターのガソリン車以上である。55.1kgmという最大トルクを発生するため、アクセルを全開にすると強烈な加速感を味わうことができる。数少ない弱点はアクセル操作に対する反応が少し鈍いくらいだ。
燃費は3リッターガソリン車で1リッター当たりで8〜9km走るパターンで、12km〜13kmといったところ。同クラスのガソリン車の1.5倍くらいをイメージすれば間違いないだろう。大まかにいって10万km走るとガソリン車との差額をペイできる計算。
価格的なこともあり、一般的には勧められないが、興味のある方にはぜひ試乗して欲しい一台である。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★☆
インテリア/居住性:★★★★☆
パワーソース:★★★★☆
フットワーク:★★★★☆
オススメ度:★★★☆☆
国沢光宏| 自動車評論家
学生時代から執筆活動を開始。現在、『CARトップ』、『ベストカー』などに寄稿する一方、AM/FM局でのパーソナリティ、WRC解説も行う。クルマ選びからドライビングテクニック、業界ニュースなど、広く深くが取材目標。