JWRCでトップメーカーとなったスズキが、2008年からいよいよWRCに参戦する。そのためのベースとして選んだクルマがスポーツクロスオーバー『SX4』だ。東京オートサロンにWRCプロトタイプが展示された。
市販車は最先端の電子制御4WDと、ABSと巧みな連携をとる車両走行安定補助システムを搭載する。これらがどの程度競技車に活かされるかは明かされていないが、現在紹介されているスペックにはデファレンシャルギアに「電子制御」の文字があった。エンジンは「2.0S」と「2.0XS」に搭載されている「J20」型にターボチャージャーをビルトイン。
WRC参戦はSX4の発表と同時で、当初は2007年にWRCデビューとされていた。しかし1年延期して熟成させることにしたようだ。最高出力は235KW(320PS)となり、2.0XSの約2.5倍。最大トルクは637Nm(65kgm)で2.0XSの3倍以上になっている。
スズキはJWRCに続き、WRCでもモンスターを生み出そうとしている。スタートラインに立つまであと1年。現在のスペックは暫定的なもので、スタイルも変わってくるかも知れない。しかし、オートサロンにおけるプロトタイプのお披露目は、スズキの栄光を充分に期待させた。