『iPhone』ネイティブアプリ開発用のSDKには、リアルタイムルートガイダンスを提供してはダメだという記述がある。
にもかかわらず、世界最大のPNDメーカーのひとつTomTom社は6月9日にロイターに対してiPhone用、iPhone用カーナビアプリ開発完了を公表した。ソフトウェアベンダーにとってiPhoneプラットフォームはGPS搭載によって理想的な簡易ナビ端末と映る。
「TomTomの発表以来、iPhone用カーナビアプリを一部大手に対してのみアップルが許可するのか、それともオープンになるのか世界のLBSベンダーの間で議論と推測が加熱しています」とは、大手LBSベンダーの声。
果たしてGPS内蔵のiPhone 3GでTomTomアプリ、GARMINアプリなど世界のカーナビメーカーのアプリはダウンロード販売できるのであろうか。
そこで、10日よりオープンしている「iTunes7.7」のApp Storeにアクセスしてみると、Navigationカテゴリーには15のアプリが存在する。しかし、TomTomやGARMINなどリアルタイムルートガイダンスが可能なアプリは皆無。リアルタイムルートガイダンスが可能なアプリ、つまりカーナビアプリはサードパーティーにはサービスさせない方針がうかがえる。
日本のキャリアKDDIもEZナビウォーク&EZ助手席ナビの公式サービス以外にはナビアプリを許可しておらず聖域としている。これに習ったかどうかは未知だが、現状から察するにアップル純正インターフェイスによるカーナビアプリ“iNavigation”が近日かならず登場する、と断言しても良いだろう。
iPhoneや『iPod touch』にプリウンストールされているmapsアプリは、googleのコンテンツに対してアップルがインターフェイスを担当した実績がある。
ケータイの世界にインターフェイスの革新を与えたアップルが、ナビゲーションサービスに対してどのような革新をもたらすのか。充分注目に値する新アプリケーションとなる。