日本の交通環境やライフスタイルに、最もマッチするアウディのモデルが『A4』シリーズだと思っているので、今回の仕上がりには興味津々でした。
セダン、アバントとも、上質感や操作感、走りのフィーリングは満点といってもいいほどの造り込みと進化を実感。
とくに1.8リットルモデルは、直噴ターボ+CVTがもたらす様々なメリットが盛り沢山でした。走り出した瞬間に感じる、スーッと軽くなめらかな加速感や、市街地での頻繁なストップ&ゴーでもクルマとの一体感があって扱いやすいこと。右へ左へのコーナーが続く場面では、フロア下はガッチリしているのにとてもしなやかに動いてくれて、落ち着いた中にも楽しさがありました。その上、燃費が抑えられているのも大きなポイントですね。
そして個人的に、アバントの美しいスタイルに惚れ惚れ。全長、全幅、ホイールベースがセダンと変わらないので間延びした印象がなく、リアゲートの傾斜もワゴンとしては異例なほどで、しなやかなラインが引き立ちます。
またラゲッジ容量は、ゲートが傾斜した分を深さでカバーし、余計な出っ張りをなくした形状でライバル同等を確保。キャビンからはラゲッジの気配が完全に消されているので、ゲストを迎える場としてもふさわしい上質な空間。アウディ流のワゴンスタイルの美学、というものを見た気がします。
それほど背伸びせずに乗れて、でもオシャレで知的でスポーティ。A4シリーズはやっぱり、選んで間違いのないミドルサイズの1台ですね。
■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★
まるも亜希子|カーライフ・ジャーナリスト
大学在学中に声優デビュー、卒業後は自動車専門誌で編集者を6年間務める。2003年、カーライフ・ジャーナリストとして独立し、クルマのある生活を様々な角度から検証・提案する活動を開始。雑誌、ウェブ等への寄稿&プロデュース、ラジオ、CS、イベントへの出演等を軸に活動中。また、輝く女性のためのサイト『ABILC』(アビリーク)を立ち上げ、アクティブに美しく生きる女性への情報やコラムを発信。2004年、2005年には、サハラ砂漠2500kmを走破する女性だけのラリーに挑戦し、日本人チームとして初めて完走。COTY選考委員。