SUPER GT(スーパーGT)の08年シーズン最終戦となる第9戦「FUJI GT 300KM RACE」の決勝が、9日に富士スピードウェイで行われた。優勝は、12号車「カルソニック IMPUL GT-R」の松田次生/セバスチャン・フィリップ組。
GT500クラスの08年王者は、23号車「XANAVI NISMO GT-R」の本山哲/ブノワ・トレルイエ組が獲得した。同クラス・チーム王者は、36号車のPETRONAS TOYOTA TEAM TOM'S。
夜の内に上がった小雨が、決勝前に再びパラつき出し、タイヤチョイスが難しい状況に。軽くウェット路面になると踏んで多くのチームが、浅溝レインを選択することに。12号車(松田)は少数派のスリックを選択した。
スタートで大きな混乱はなかったが、路面は乾く方向になったため、浅溝タイヤのチームは数周でスリックへの交換のための緊急ピットインを行う。チーム初ポールを獲得した17号車「REAL NSX」(金石年弘、パートナーは金石勝智)もその1台で、トップを維持できたのは3周目まで。今回も、うまくいかない決勝となってしまった。
一方、12号車は順調に上位に進出。予選12番手からスタートし、18周目にはトップに。また、タイヤ交換組の中では23号車(トレルイエ)が抜群のタイムでピットアウトし、予選9番手ながら9周目には3位に浮上。5位以内で自力王座決定の上、王座を巡るライバルたちはすべて同車の後方なので、勝負ありと思われた。
日産陣営が冷や汗をかくことになったのは、本山にスイッチした直後。雨足が強くなり、余分な3回目のピットストップを余儀なくされたのだ。これにより、23周目の時点で23号車は得点圏外の13位に落ちてしまう。
ここで猛チャージをかけたのが、富士マイスターの立川祐路。リチャード・ライアンから交代すると同時に浅溝レインに交換し、38号車「ZENT CERUMO SC430」にスパートをかけさせる。全66周の48周目には2位に浮上し、この時点でまだ23号車は12位(フィリップ)。もし23号車がこのままで、38号車が優勝すれば17点差をひっくり返しての大逆転王座だ。
しかし、12号車とのギャップは大きく、さすがに簡単には抜けない。また本山自身も奮戦し、80kgのウェイトを積みながら、ウェット路面の中を徐々に順位を上げていく。遂に、62周目には自力での王座獲得が可能な9位に浮上(12号車がリタイアして38号車が優勝しても、23号車も8位になるので王座獲得)。
そして12号車が逃げ切って2勝目を上げたため、立川/ライアン組の大逆転王座は幻に。本山/トレルイエ組による、公約「GT-Rデビューイヤーチャンプ」の実現となった。
SUPER GTの09年シーズンの開幕は、暫定カレンダーで3月21・22日の岡山国際サーキットからだ。