2008年、F1史上最年少でドライバーズチャンピオンに輝いたマクラーレン・メルセデスのルイス・ハミルトン選手が、F1サーキットを設計。
といってもバーチャルでの話。ハミルトン選手と、マクラーレンチームにエンジンオイルを供給するエクソンモービルが共同開発したコースは、「スーパーサーキット」と命名。何しろ、F1王者のハミルトン選手自身が選んだ好きなコーナー・ベスト10が組み込まれているのだから、世界最高のサーキットといえるだろう。
スタート直後の最初のコーナーは、イスタンブールスピードパークの8コーナー。ハミルトン選手が5速260km/hで挑むコーナーで、その衝撃は5Gにも達する。
続くエストリルのMagnyコーナーを抜けると、鈴鹿サーキットの130Rが出現。ハミルトン選手は6速295km/hというハイスピードで130Rを走り抜ける。
そしてスパフランコルシャンのEau Rougeを7速295km/hでパスすると、4速172km/hまで急減速。モナコ市街地のTabacコーナーを慎重にクリアする。
再び加速に入り、鈴鹿サーキットの1コーナーを5速255km/hでパス。そのままアクセルを踏み続け、ブレーキはぎりぎりまで遅らせて、スパフランコルシャンの厳しい下りコーナー、Pouhonを6速260km/hで攻める。
ここから急ブレーキを踏み、モナコ名物のブラインドコーナー、カジノスクエアを3速130km/hで旋回。そして9個目のコーナーはハミルトン選手にとって忘れられないブラジル・インテルラゴスのMergulho。ハミルトン選手がトヨタのティム・グロック選手の失速によって順位を上げ、F1タイトルを手中に収めたコーナーだ。ここは4速175km/hで通過。
ラストはシルバーストーンのCopse。F1サーキットの中で最もハイスピードなコーナーのひとつで、ハミルトン選手は7速290km/hで果敢に挑戦している。
ハミルトン選手は「攻めがいのあるサーキットを作りたいと思って設計した」とコメント。エクソンモービルは「将来、世界のどこかにハミルトン選手が理想とするサーキットが誕生するかもしれない」と、このプランの実現性に言及している。
それにしても、日本から鈴鹿サーキットの2コーナーが選出されたのは誇らしいところ。故アイルトン・セナ選手が1988年、初のF1タイトルを決めたのも鈴鹿だっただけに、そのコースを攻める楽しさをハミルトン選手も認めていることになる。でも富士スピードウェイが選ばれなかったのは、日本人としてはちょっと残念な気もするが……。
ハミルトンによる“走行”シーンを「YouTube」で見られる。