日産の新型『キューブ』は、エンジンの排気量を1.5リットルに一本化し、トランスミッションも全車CVTに統一している。
先代モデルでは、1.4リットルと1.5リットルエンジンが設定されており、どちらかと言えば1.4リットルがメインだった。
キューブの開発責任者を務めたセグメントチーフプロダクトスペシャリストの岩佐洋介さんは「新型キューブにはキラクに走れる動力性能を持たせるために、ゆとりのある出力特性と低燃費を両立した『HR15DE』エンジンとエクストロニックCVTを採用しました」
「エクストロニックCVTには『ティーダ』のマイナーチェンジから導入したアダプティブシフトコントロールを採用しています。走行状況に応じてCVTが最適なシフト制御を行ってくれますので、あらゆるシーンで余裕のある走りと、低燃費をもたらしてくれます」とコメント。
HR15DEエンジンとエクストロニックCVTの組み合わせはティーダや『ノート』などで採用されているので、その実力の高さはすでに実証済みだが、新型キューブとの相性も申し分ない。
先代モデルの時にもこのパワートレインを搭載した上級グレードもあったが、新たにアダプティブシフトコントロールが組み合わされたことで、市街地でのレスポンスが向上し、高速時などでは低回転を維持するようになっている。この制御は実用燃費の向上にも大きく貢献してくれるに違いない。
動力性能の面でも新型キューブは先代よりもボディサイズがひと回り大きくなり、車両重量も増加しているが、1.5リットルの排気量を持つこのパワートレインならば、重さを感じることなくキビキビと走ることができる。
先代までの1.4リットルエンジンは少し中途半端な印象があったので、新型は実績のある1.5リットルに絞って正解だったといえる。海外では1.8リットルが設定される可能性もあるが、日本の道路状況においては、この1.5リットル&エクストロニックCVTのパワートレインがベストなマッチングだ。