ラスベガスで開催中のCES2009の基調講演において、昨年のGMワゴナーCEOにつづいて今年はフォードモーターCEOのアラン・ムラーリ氏が登壇した。
冒頭にムラーリ氏は、すでにマイクロソフト社のプラットフォームを利用して2007年より展開している『Sync』サービスを強調し、マイクロソフトCEOスティーブ・バルマー氏がゲスト出演してその良好な関係をアピールした。
「Syncはクルマとケータイやミュージックプレーヤーとの接続を使いやすく手頃な価格で提供することで100万台のセールスを記録している」
次期型Syncについての説明はダグ・バンデイジェンズ部長が代わって行った。
まず「911 ASSIST」という新機能は、エアバッグが開くと911(日本でいう119番)のオペレーターに自動的に電話が繋がる。
「VEHICLE HEALTH REPORT」という機能は、ダイアグ情報からユーザーに対してクルマのコンディションを伝える機能。伝え方は、「synv my ride」というマイページへのレポート、e-mail、ケータイへのテキストメッセージなどを選ぶことができる。
「911 ASSIST」と「VEHICLE HEALTH REPORT」、このふたつの機能は、クルマの寿命が続く限り無料でサービスされる。
さて、いよいよ次期型Syncの本命機能「Tellme」についてである。
Tellmeは、07年にマイクロソフトが買収した音声による電話検索サービスの名称。音声認識技術により日本でいう104番や8600番のような地域情報、道順案内、株式、天気やニュースなどの情報を提供している。
このTellmeのサービスをSyncに組み合わされたのが、次期型Syncの目玉となっている。つまり、これまでのSyncの車内機器の音声コントロールに加えて、ハンズフリーフォンで繋がったTellmeサービスが様々なサービスへのインターフェイスになる。
Tellmeによる道案内サービスは車載機にダウンロードされ、ターンbyターンによる音声ナビゲーションサービスとなり、この案内は渋滞情報も加味された案内となる。
Tellmeによる渋滞情報、ナビゲーション、そしてニュース、スポーツ、天気の情報サービスは、新車購入後3年間は無料で利用できる。
次期型Syncは、春から販売開始の2010年型モデル、フォード『マスタング』、フォード『フュージョン』、マーキュリー『ミラン』、リンカーン『MKZ』から順次搭載される。
なお、Syncは北米のみではなく、2010年からは欧州にも展開し、将来はアジア太平洋地域にも展開していくと述べた。