クライスラーはデトロイトモーターショーで『200C EVコンセプト』を初公開した。次世代ミディアムセダンの方向性を示唆したモデルで、モーター走行を基本にしたプラグインハイブリッド車となる。
200C EVコンセプトはクライスラーの「ENVI」システムを搭載。ENVIとはenvironmental(環境)の頭4文字を取ったネーミングで、ピュアEVおよびレンジエクステンデットEV用のシステムを意味する。
200C EVコンセプトは、最大出力268psを発生するモーターを搭載。最大約64km/hをモーター単独で走行する。2次電池はリチウムイオンバッテリー。バッテリーの残量が少なくなると、小排気量のガソリンエンジン(74ps)が始動し、ジェネレーターを回して、モーターに電力を供給するとともに、バッテリーの充電を行う。最大航続距離は約644kmまで伸びる。
パフォーマンスは0 - 96km/h加速が7秒、最高速度は193km/hと実用性にはまったく問題はない。もちろん、バッテリーは家庭用コンセントからも充電できる。
インテリアは非常に未来的で、インパネからスイッチやレバー類をいっさいなくした。ドライバーは中央のマルチメディアタッチスクリーンですべての操作を行う。シングルスポークのステアリングホイールもシンプルな印象だ。
独立4座のシートはパール&グラファイトのレザー仕上げ。シートの一部は葉をイメージしたグリーンで塗装されている。助手席前方のグローブボックスからは格納式の小型ノートパソコンがせり出す。
シャシーは『300C』と共通のクライスラーのFRプラットホーム、「LX」を使用。ボディサイズは全長4879×全幅1870×1455mm、ホイールベースは2948mm。300Cよりもひと回りコンパクトで、とくにホイールベースは300Cよりも100mm短い。
外観は低いルーフラインや300Cと共通イメージの高いベルトラインが特徴。大型グリルやボリューム感たっぷりのボディラインが力強い雰囲気を生んでいる。ヘッドランプやテールランプ、フォグランプにはLEDが使用された。
200C EVコンセプトが市販されるかどうかは未定だが、このボディデザインは、ほぼそのまま次期『セブリング』に流用される模様。マッスルなフォルムは米国人にかなり受けそうな予感がする。