スバルオブアメリカは9日、『インプレッサWRX STI』のスペシャル仕様、『トラビス・パストラナ』を発表した。実車は11日に開幕するシカゴモーターショーで披露される。
トラビス・パストラナはスバルラリーチームUSAのエースドライバー。もともと、2輪のフリースタイルモトクロスの選手で、米国の人気スポーツ大会「Xゲームズ」の金メダリストでもある。
2003年から4輪ラリー活動を開始し、2006年にはスバルラリーチームUSA に加入する。2008年シーズンは、インプレッサでラリーコロラドに勝利し、自身3度目となる米国選手権のドライバーズタイトルを決めている。
米国の英雄、パストラナ選手の名前を冠したインプレッサには、STIが手がけたパーツをはじめ、数々のスポーツ装備が奢られている。目を引くのはカーボンファイバー製のボンネット&リアウイング。ブリリアントイエローで塗装されたボディには、パストラナ選手のマシンと同じ、「199」のゼッケンナンバーが貼られている。
エンジンはベース車と同じ2.5リットル水平対向4ターボ。専用コンピュータの採用により、最大出力はベース車の305psを若干上回る。足回りにはストラットタワーバーやスタビライザーを追加し、シャープなハンドリングを追求。タイヤはBFグッドリッチ製「Gフォース」で275/35ZR18サイズ。ブレンボ製の赤いブレーキキャリパーには、STIのロゴが添えられた。
室内はブルーのアルカンターラシートを装着。シート、ステアリングホイール、シフトレバーなどにはイエローのステッチが配される。6速MTはショートストロークに変更。助手席用のフットレスト、ラリーマップなど、競技車両さながらの装備も用意された。また、助手席下には「Xbox360」の本体が置かれ、イクリプスのヘッドユニット「AVN6620」とともに、エンターテインメント性にも配慮されている。
これらのパーツは今春より全米のインプレッサWRX STI販売店で取り扱い開始。今回のシカゴモーターショーでは、14日と15日の両日、パストラナ選手も会場に姿を見せ、PRにひと役買う予定だ。WRC(世界ラリー選手権)からは撤退したスバルだが、米国内では意気揚々である。