【池原照雄の単眼複眼】えっ、大学生が一番好むのはコンパクトカー

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【池原照雄の単眼複眼】えっ、大学生が一番好むのはコンパクトカー
【池原照雄の単眼複眼】えっ、大学生が一番好むのはコンパクトカー 全 8 枚 拡大写真

自工会調査で「スポーツ」タイプは3番手

若年層が最も好むボディータイプは「コンパクト」---。日本自動車工業会がこのほど発表した「2008年度乗用車市場動向調査」で、若者のクルマに対する嗜好や価値観が分析されている。中高年者以上に、ある意味堅実であり、効用重視の姿勢が浮かび上がる。

08年度の同調査は、若年層の「クルマ離れ」が指摘されていることから、今後「若者とクルマの関係はどう変わっていくのか」を探った。調査では数年内に社会人となってクルマ市場への本格参入が始まる大学生を「エントリー世代」と位置づけ、実施した。

このなかで、現役エントリー世代である大学生と、大学を卒業した「元エントリー世代」(「20 - 30代」と「40 - 50代」に分類)を対象にしたウェブ調査で、「好きなボディータイプ」が回答されている。大学生のトップは「コンパクト」(33%)で、以下「セダン」(25%)、「スポーツ」(19%)の順。

◆おじんの方がアクティブ

これに対し、「20 - 30代」と「40 - 50代」はともにトップが「セダン」、2位はそれぞれ「コンパクト」と「スポーツ」だった。3位は「20 - 30代」が「スポーツ」、「40 - 50代」が「ステーションワゴン」という結果。

この回答からは、年代が高い「40 - 50代」がもっともアクティブなモデルを嗜好している様子がうかがえる。大学生の4位には「軽自動車」(18%)が入っている。軽は「20 - 30代」では5位、「40 - 50代」では7位と人気は今ひとつであり、大学生での上位ランクが目立つ。

こうした好みのボディータイプの選択には、各世代の「購買力」も反映されているようだ。調査報告では、現在の大学生を「バブル崩壊後の低成長期に育ち、好景気を実感することなく過ごしてきたため、将来の社会・経済に対して悲観的な見方をする傾向が強い」と指摘。この世代で、比較的価格が安く、実用的でもある「コンパクト」への支持が高まる背景を分析している。

◆「顕示性」は弱くなる傾向

また、育った時代背景から、かつての大学生と比べて「お金を使うことに消極的」であり、クルマに求めるのは「生活を便利に快適にする機能的ベネフィット(効用)」とも指摘している。逆に他人への顕示性や所有することの満足感など「心理的なベネフィット」が弱くなる傾向があると見ている。

調査リポートでは、こうしたエントリー世代を顧客として掴むには、「情報化」「環境性能」などクルマの「効用」の高度化や、経済的な「負担」の軽減が重要と総括している。

確かにエントリー世代の最大公約数は、そうした傾向かも知れない。だが、値は張ってもカッコよく走りもいいクルマに対価を支払う若年層が「絶滅」したわけではない。そこを見誤ると、益々「クルマ離れ」が進んでしまう。

《池原照雄》

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