ハマーブランド廃止へ…GMと中国企業、売却を白紙撤回

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GMは24日、傘下の「ハマー」ブランドの売却に関して、中国・四川省の重工業メーカー、四川騰中重工機械と結んだ契約を白紙撤回すると発表した。中国政府からハマー買収の認可が下りなかったことが原因と見られる。

四川騰中重工機械は、中国で道路工事用の特別車両などを手がけるメーカー。GMと同社は昨年6月2日、ハマーブランドの買収に関して暫定合意。両社は4か月に渡って協議し、10月9日、ハマー買収の正式契約を締結した。買収金額は公表されていないが、約1億5000万ドル(約135億円)と推測されている。

ハマーの売却に当たってGMは、米国内の3000人以上の雇用を守ることを条件にした。これは、エンジニア、工場の従業員、ディーラーの社員などを含む人数だ。またブランド売却後も、ルイジアナ州のGMシュレブポート工場では『H3』と『H3T』を、生産委託先のAMゼネラルのインディアナ州ミシャワカ工場では『H2』の組み立てを、それぞれ2011年6月まで継続。この製造契約は2012年6月まで延長できるとされた。

ハマー買収の雲行きが怪しくなったのは、2010年に入ってから。四川騰中重工機械は2月1日、買収期限を当初予定の1月末から2月末に延期することをGMに申し入れ、両社は合意。四川騰中重工機械サイドは、「中国政府の承認が得られていないため」と説明していた。

そして、最終買収期限が目前に迫った24日、ハマーの買収契約は白紙撤回された。その理由は明らかにされていないが、中国政府が買収申請を却下したためと見られている。

GMのジョン・スミス副社長は、「我々は四川騰中重工機械との契約が、破談になったことに失望している」とコメント。ハマーブランドの廃止を視野に入れて、ブランドの段階的縮小に取り組む方針を明らかにした。そのうえで、「世界中のハマーの顧客に対しては、保証やサービス体制を維持する」と強調した。

GMは2009年6月の破産法適用申請後、「シボレー」「ビュイック」「GMC」「キャデラック」の4ブランドに絞り込み、経営再建中。「サーブ」はオランダのスーパーカーメーカー、スパイカーカーズへ売却され、「オペル」は紆余曲折の末、GM傘下に踏みとどまった。「ポンティアック」と「サターン」の両ブランドは、すでに廃止が決定している。

ハマーブランドはこのまま廃止されるのか、それとも新たな買い手が現れるのか。この点に注目が集まっている。

《森脇稔》

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